オリジナル
□秘密
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「ねぇ、どうして急に冷たくなったの？」
「何が？」
「ほら、あの人。前から結構仲良かったじゃない」
「……ああ。なんかさ、好意持たれてるっぽいんだよね」
「それは、異性として好かれてるかもってこと？」
「多分」
「どうして？」
「さぁ？」
「そうじゃなくて。どうしてそう思うの？」
「えー……なんとなく？ 急に態度変わったっていうか」
「例えば？」
「んー……なんか、やけに視線を感じるようになったんだよ。用もないのに話しかけてくるしさ。前はそんな奴じゃなかったんだけど。遊びの誘いも急に多くなったし」
「ふーん……だから最近避けてるの？」
「別に避けてないよ。ただ、今までみたいに二人で遊んだり、ハグとかのボディタッチはしないようにしてるだけ」
「……そっか」
「うん。向こうはその気なのかもしれないけど、あたしにそのつもりはないし。変に気持たせても悪いからさ」
「……あのさ、そういうのって、やっぱり嫌なの？」
「ん？」
「その……友達に恋愛感情持たれるの」
「……別に嫌ではないけど、あいつは彼氏って感じじゃないし。友達としては好きだけど、恋愛対象ではないな、うん」
「もし告白されたら断る？」
「まぁ、そうなるだろうね」
「友達に戻るの？」
「いや、それは無理でしょ。今はまだこっちが気づかないふりをしてるからいいけど、告白されたら元通りってわけにはいかないんじゃないかな。お互い意識するだろうし、まずあっちが辛くなるんじゃないの」
「でも、いいの？ 大事な友達なんでしょ？」
「……そうだけど、しょうがないよ。てか、やけに質問多いね？ どうした？」
「え、いや別に……ちょっと気になってたから」
「そうなの？ あ、悩みあるんなら聞くよ？」
「ううん。大丈夫、なんでもないから」
「……ならいいけど」
「うん……ごめん、ありがとう」
「……じゃあ、そろそろ行くか」
「そうだね」
「……あいつとつるめなくなるのは寂しいけどさ、あたしはあんたがいるから楽しいよ」
「……私も、楽しいよ」
――気をつけなくちゃ。
――絶対にばれないように。
――ねぇお願い、どうか気づかないで。
――私はまだ、あなたの友達でいたい。