ポケモン

□ラグラージの思い出
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「ラグラージは ハルカが ○○○を つかまえた ときに
 なんともいえない きもちだったことが さいこうの おもいでだってさー!」




僕はずっと君と一緒だった。


101番道路で初めて出会ってから、長い長い道のりを一緒に旅してきた。

僕にとっての初めてのトレーナーは君で、
君にとっての初めてのポケモンは僕だった。



僕と君だけで始めた冒険も、途中でたくさんの仲間ができた。

オダマキ博士からポケモン図鑑の収集を頼まれた君は、
初めて出会うポケモン達に目を輝かせ、モンスターボールを投げる。

新しい仲間が出来る度、嬉しそうに笑う君を見て、
どうしてかわからないけれど、僕の胸は少しだけ傷んだ。


僕を含めて、君と旅をする6匹のポケモン達。
中には途中でパソコンに送られる子もいた。

理由はいろいろあるみたいだけど、僕にはよくわからない。
そして、送られた子の代わりに新しい仲間が加わる。


……僕もいつか、君と一緒にいられなくなるのかな?

それからは、君が新しいポケモンを捕まえる度に、
僕はなんともいえない気持ちになった。

前から感じていた胸の痛み……その理由がわかったような気がする。





――――――――僕は君に捨てられるのが怖い。







「ラグラージ?どうしたの?」

時々君の言葉にも気付けないくらい、
僕は考え事が多くなった。

未来のことを考えるのが怖くて、
でも、考えずにはいられなかった。


「……また何か考えてるのかな」


僕が考えるのは、君と一緒にいられる方法だけだよ。









気が付けば長い冒険も終わり。
君はチャンピオンを倒し、ホウエン地方の新しいチャンピオンになった。

殿堂入りを果たしたその中には……僕もいた。
結局、君は最後まで僕を一緒にいさせてくれた。

「みんな、本当にありがとう!
 ここまで来れたのも全部あなた達のおかげだよ!」

嬉しそうにそう言って、一匹ずつ誉めてくれる君。


最後に僕の番。

「……ラグラージ、本当にお疲れ様。
 最初から最後まで、一緒に戦ってくれてありがとう。
 あなたがいなかったら、私、途中で諦めてたかもしれない。
 
 ……あのね、他の子達には内緒だよ?
 私ね、初めて出会った時から、絶対にあなたと一緒に強くなりたいって、
 チャンピオンになるんだって、そう思ってたの!
 だから、本当に本当にありがとう!
 誰よりも、いっちばん大好きだよ!」 


抱き締めてくれた君の温かさに、
今までの痛みはきれいさっぱり消え去った。

何も心配する事なんてなかった。
ただ君を信じればよかった。




(僕も、君のことがいっちばん大好き!)




君に伝わるように強く思って。


今ではあの頃の痛みさえ、君との最高の思い出だよ。





ラグラージ♂
てれやな性格。
2014年11月20日
101番道路でLv.5のときに出会った。
考え事が多い。

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