ポケモン
□もういいかい
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――もういいかい?
ねぇ、君たちはどこにいるんだい?
ずっとずっと、探しているんだよ。
揺れた草むらの中? 高い高い雲の上? 深い深い海の底?
燃えているのは君たちの炎? 吹いた風は君たちが通り過ぎた跡?
闇に光るそれは君たちの瞳? 暑い日や寒い日は、もしかして機嫌が悪いのかな?
君たちを知ったあの日から、ずっと友達になりたくてしょうがないんだ。
小さな耳、愛らしい尻尾、悪戯っぽく笑うその声を、ずっと探しているんだよ。
君たちはいないと誰かが笑っても、そんなことはないと僕は思う。
きっと、見えないどこかで僕らを見ているんでしょう?
――ああ、今、微かに笑い声が聞こえた気がするよ。
そこの小さな影法師はもしかして――?
足音を消して、そっと近付いてみよう。
会えるかな。出てきてくれるかな。
友達に、なってくれるかな。
――もういいかい?
――まぁだだよ。