U:ふれあい

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「はい、よくできました」


テリーが手をパンパンと叩けばレッスン終了の合図。


今日は朝早く起きたため、自室に行ってピアノを練習していた。練習といっても、楽譜を見て弾くレベルではない。ひたすら片手ずつ鍵盤を叩いて音を出すのだ。最近はやっと1オクターブ途切れることなく弾けるようになってきた。


先生のテリーは小さい手で見事にピアノを弾きこなす。中世の有名な作曲家から、最新のPOPまで何でもござれだ。

「どうやったらそんな風に弾けるの?」

見事な演奏を聴くたびにする質問。
答えはいつも「練習あるのみですよ」。
いつかは何か曲を弾けるようになれるだろうか?


「はいお嬢様、今日はここまで!」

「ありがとうございましたっ」


椅子から下りるとさすがテリー、紅茶と小さな焼きたてのパンが準備されていた。朝食も兼ねてテリーとお茶をして、それからハリー達を探して大広間に向かった。




「ローズ」
名前を呼ばれて振り返ると、グリフィンドールの寮監が立っていた。


「ミネルバ!」

授業中は厳しいミネルバは、その他の時間は優しい。先生ではなくファーストネームで呼んでいいと彼女が言ったからだ。

「どこかに行っていたの?」


頭にミネルバの手が触れる。

「ピアノを習いに自分の部屋に行ってたの。もうごはん食べたから、これからハリー達と合流して授業に行くとこだよ」

「そう。...体調は崩してないようね。何かあったらすぐに言うのよ」




ーーーーーハリーと一緒にロックハート先生から逃げ回ってるのは、〈何か〉に該当するだろうか?



「......うん」




別に特別悩んでる訳ではないし、二人のことを嫌っている訳でもない。
それにハリー、ロン、ハーマイオニーと過ごす毎日は楽しい。

「夏休みも楽しかったけど、学校が始まって毎日楽しいよ!」


そう言うとミネルバはよかった、と言って手を頭から離した。
ミネルバが教師用の席に向かったため、ハリーを探そうと辺りを見回すと、また自分を呼ぶ声が聞えた。


「わぁ!やっと会えた」



それはハリーがロックハート先生とは別に逃げ回っている人物、コリン・クリービーだった。







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