U:ふれあい

□ー24ー
1ページ/11ページ






新学期が始まってあっという間に1ヶ月が経った。大粒の雨が降る日が続き、生徒達は外に出れない日々を送っていた。
おかげで談話室はごった返し、ローズはいつもハリー達を探すのに必死だった。


知らない上級生の間を歩くのは気が引けて、いつものように女子寮に通じる階段の中腹からみんなを探していると赤毛の女の子が階段を上がってきた。

「あ、ローズ...」



ウィーズリー家の末っ子、ジニーだ。
顔を合わせたことはあるものの、二人きりで話したことはなかったため挨拶を返すだけにしようと思ったが、ジニーの顔色の悪さにローズは驚いて声をかけた。

「ジニー、大丈夫!? 体調悪そうだよ」


ジニーも挨拶を軽くするだけだと想像していたのだろう、ローズの反応に最初はとまどい、そして笑みを作った。
「大丈夫。でも少し疲れたからちょっと休もうと思って」

「そうなんだ、何かいる?飲み物とか食べられそうな物あったら持って行くよ?」

「いいの!気にしないで!」
ローズの提案に、まるでハリーに話しかけられた時のように挙動不審になりながら首を振った。

「ちょっと休んだら平気になるから」

「分かった。...何かあったら言ってね?」



そそくさと隣を抜けて行ったジニーの後ろ姿を心配しながら見ているとハーマイオニーの声がして、ローズは階段を降りた。

「やっと見つけたわ」

「私もだよハーマイオニー。放課後はお互い探すの大変だよね」

「ローズも一緒に来ればよかったのに。せっかくロックハート先生が特別講習を開くっておっしゃってたんだから」

「......うん。まぁ今回は、いいかなって」

授業の後、ロックハートが高らかにき開催を宣言した“私がマジックになるまで〜学生向けホグワーツ特別講習〜”にハーマイオニーはすぐに申し込み、今日最終授業が終わった瞬間にいい席を取りに行くと凄まじい勢いで会場に向かったのだ。
その手にはロックハートの写真がデカデカとプリントされた大きな紙袋が下げられている。
興奮冷めやらぬハーマイオニーはちょっと待っててねと同じかみを持った女子生徒と寝室に向かった。



ハーマイオニーが荷物を置いて夕食に行くために二人で歩いていると、途中でずぶ濡れになったハリー達グリフィンドールのクィディッチ・チームがやってきた。
雨の中猛練習していただろうにまだ余力があるのか、彼らはふざけ合いながら元気よく笑っている。


ハリーが二人に気付き、着替えてから夕食に合流するねと言ってきた。ハリーの後ろから顔を出すフレッドとジョージに、ジニーの体調が悪そうだと告げると兄弟全員気付いているらしく、今パーシーは元気爆発薬を保健室から貰ってきているところらしい。


「そっか、お兄さん達がいるから安心だね」

「いつでもウィーズリー家の養子にきていいぞ。ママとパパも歓迎だよ。なんならハリーも一緒に」



おまけ扱いされたハリーが反論しようと前に出たが、双子にキレイに口を塞がれさぁ行くぞと連れ去られていった。






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ