U:ふれあい

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その日最初の授業からハリーは機嫌が悪かった。
ここ最近上機嫌であることはないと言ってもいいくらいなのだが、それでも今日は特別悪い。


第一に、ローズを探してやっと見つけたと思ったらコリン・クリービーや双子と写真を撮ったと聞いたから。

別にいいけど。でもローズが初めてのことをするのに、相手が自分じゃないことが不満だ。
そして、ハリーを選んでくれなかったローズにも。


悪気がないのは分かっている。だからこそ一人不満を抱えているのだ。





そしてもう1つ。


「さぁ、ハリー! 前へ出て!」


朝っぱらから高い声が自分の名前を呼ぶ。早くも嫌悪感しか抱かないこの声。
闇の魔法に対する防衛術は、もっぱらギルデロイ・ロックハートの武勇伝の発表会だ。

そして自分はお花畑劇場のレギュラー演者。しかもたいていお花畑ヒーローに退治される魔法動物役。
動物に襲われヒーローに助けられるヒロインは言わずもがな、ローズだ。



「さぁローズ、私に泣いて助けを求めて!」

「え?あ...せんせーい!助けてー」


ーーーローズの大根ぶりには目を見張るものがあるが。


「ハリー、ここに倒れてっ。 みなさん!こうして僕は狼男を助けたのです!...ローズ、僕に抱きついて」



こういう指示が何回も出される中で、ハリーをは自分の感情を殺し淡々とローズの救出に向かうことにしている。

「ローズ、こっち」

「あ、うん。ハリー」


クラス内での協力体制はできていて、杖が不安定なロンの代わりにシェーマスがシュッと杖を振りこのタイミングで時計を進めてくれる。
ハリーはローズを連れてスタスタ教室を出るだけだ。





この感情をどこにぶつけたらいいのやらーーー。

ハリーは風を切り、最高の興奮を味わうことのできるスポーツを思い出した。



ーーーーーウッドに練習はいつから始まるのか聞いてみよう






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