U:ふれあい

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糖分が補給できたこと、冷たい風を切って飛んだことでハリーはすっかり目が覚めた。


「きゃー!ハリー! こっち向いてー!!」

何故男子から黄色い声を上げられているのかは分からないが。


「モテモテだなぁ、おい」

こうやってまず人をからかってくるのはフレッドだ。ニヤニヤと近寄ってきたフレッドにハリーは肩をすくめた。
「羨ましい?」

「いや、全く」


別に目立つポジションにいた訳ではなかったが、ウッドは目ざとく私語を交わす二人を見つけ文字通り飛んできた。
「おい何やってんだ!...ん?あの1年は誰だ?写真なんか撮って他寮のスパイか?」

「いや、あの子はグリフィンドールだよ」


慌ててコリンを庇うが、自分の写真を撮りに来ているとはさすがに言えない。助けてくれとフレッドを見ると、笑顔でーーー目は笑っていなかったがーーーウッドとハリーを見た。

「スパイなんて必要ないぜ」


「なんでだ!」
短気になっているウッドにフレッドは下を指差した。


「我らが叩きのめすべき相手はすでにお出ましだからだよ」



指が示す方向には、グリーンのローブを着込んだスリザリンの選手達がいた。
見るまでもないことだが、ウッドは顔を真っ赤にして一直線に下降した。



キャプテンより一足遅く他のグリフィンドールチームも地面に降り立つと、スリザリンのキャプテン、マーカス・フリントが寮監セブルス・スネイプのサイン入り許可証を見せつけていた。腹立たしい気持ちでその許可証を見ていると、無視できない文章があった。

「新しいシーカー? どこにいるんだ?」


そこで初めてスリザリンチームが6人しかいないことに気付く。彼等が横にズレると、現れたのは得意げな顔をしたドラコ・マルフォイだった。






「どうしたんだい?」

一向に練習が再開されないことを心配したのか、ロンが走ってやってきた。その後ろにはハーマイオニー、さらにはるか遠くにローズが見える。

ロンは嫌悪感を丸出しでマルフォイを見ると、マルフォイはせせら笑いながら先程グリフィンドールチームに見せつけていた箒を掲げた。

「僕は新しいシーカーだよ、ウィーズリー。マルフォイ家がスリザリンに買った箒を見てもらっていたところだ」

口を開けて箒を見ているロンにハーマイオニーが追いつき、乱れる呼吸を抑えてスリザリンに向き合った。

「けれど大したことじゃない。グリフィンドールも資金を集めればいいことだ。そこのクイーン・スイープを競売にかければいい。大英博物館なんかが高額で落としてくれるだろう」


バカにされた自分の箒を握りしめるフレッドとジョージ、そしてロンはスリザリンの大爆笑の中怒りで顔を赤くした。



「少なくとも!」

そんな中、高いハーマイオニーの声はよく通りその場の注目を集めた。

「少なくとも、グリフィンドールの選手は誰一人お金で選ばれてない。純粋に才能で選手になったのよ」



ハーマイオニーの凛とした態度に、グリフィンドールチームは一斉に賞賛した。しかしそんな流れをスリザリンが許す訳がない。マルフォイは歪んだ顔をハーマイオニーに向けた。


「黙れ。お前の意見なんて誰も求めていない。生まれそこないの『穢れた血』め」





途端に、グリフィンドールの怒声が響いた。








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