U:ふれあい
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ハロウィンが明日に迫った日。大広間には生きたコウモリが飾られ、ハグリッドの巨大なかぼちゃが置かれて準備は着々と進んでいた。余興の豪華さも話題を呼び、ハリーとロンを除いた全生徒がハロウィンパーティーを待ちわびていた。
その日はいつもより一層雨が強かった。
気圧が低いせいか重く感じる頭を抱えながらローズが朝食を摂っていると、ジニーが話しかけてきた。
「遅くなっちゃったけど、この前は心配かけてごめんなさい。あの後1週間くらいパーシーに元気爆発薬を飲ませられたから、もう大丈夫」
そっか、よかったと答えながら、ローズはジニーが言うほど元気ではないことが気になった。無理しないで、と言うとローズもよ、と忠告された。
「風邪流行ってるみたいだから気を付けてね。なんだか顔色が悪いみたい」
心配している人に心配されてしまい、恥ずかしくなって気を付けるねと小さく答える。
ジニーが同級生達の所へ行くと、ハリーとハーマイオニーが同時に医務室に行けと声を上げた。
「ジニーの言う通り顔色悪いわよ、ローズ。」
「いつもよりボーッとしてるし」
「それにダルそうだわ」
「いつも側にいる僕らが言うんだから」
「そうよ、今日は休んだら?」
ローズを心配する様子がホグワーツの教師陣、つまり保護者達と重なって思わず吹き出してしまった。
「分かった、一応行ってみるね」
付き合うと言ってくれる友人に、授業に間に合わなかったら大変だからと断って、食事もそこそこにローズは1人医務室に向かう。
「............」
結果、風邪は大流行しているようで保健室の外まで診察を待つ生徒達が並んでいた。明らかに自分より重症な生徒の中にノコノコ入るのはどうかと思い、ローズは元来た道を戻って教室に向かった。
一限目である変身術の教室に入ると3人は手を振って位置を知らせてくれた。
怒られるかなと思いながら、授業を受けるに至った経緯を説明しようとすると。ちょうどマクゴナガルが教室に入って来たため説明する機会を失った。
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