U:ふれあい
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「絶命日パーティー?」
着替えたハリー、宿題をしていたロンと合流して夕食を摂っていると、ハリーが思い出したようにとあるパーティーに誘われたことを話し始めた。
聞いたことのない言葉にローズは首を傾げる。どうやらゴーストが人間からゴーストになった日のことを指すらしい。そしてグリフィンドールのゴーストであるほとんど首なしニックの500回目の絶命日パーティーがハロウィンの日に開かれるというのだ。
「自分の死んだ日を祝うなんてどういう神経をしてるんだ?」
「面白そう! 生きているうちに招待された人ってそんなに多くないんじゃない?」
不機嫌そうなロンとは対象的にハーマイオニーは興味津々な様子だ。ローズも行ってみたいと言ったのだが、ハリーは申し訳無さそうにダメなんだと答えた。
「女の子にはあんまりよくない場所なんだって。荒っぽいゴーストも来るからオススメしないって言ってた」
「まぁ!そんなの差別だわ」
プリプリするハーマイオニーをロンはまぁまぁと宥めた。
「僕はハリーと二人くらーいパーティーに行くんだぜ。たぶん、生身の人間は僕らだけで。君は去年僕のせいでハロウィンを楽しめなかったんだし、今年はローズと楽しんでおいでよ」
ハーマイオニーの機嫌を直したところで、すかさず宿題を教えてもらう約束をとりつけるロン。ちゃっかり者としっかり者のこのペアはケンカも多いが見ていてなんだか微笑ましい。
そんな中ローズはハリーに耳打ちする。
「パーティーの後で感想教えてね?」
「もちろん!」
ローズに笑顔を見せながら、ハリーはニックとのやり取りを思い出す。
みんなも誘ってみるよ、と言ったあと、彼は何かに気付いたように表情が固まったのだ。
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「みんな、というのはいつも一緒にいる3人ですか?」
そうだよ、と答えるとニックは女の子はダメですと言い出した。
「どうして女の子はダメなの?」
ハリーの率直な質問に、ニックは言葉を濁した。
「いやその、まぁ女の子が好みそうな装飾もないですし、あの、ちょっと荒っぽい奴らも来ますから」
そんな所に自分は招待されたのか思いながら、ハリーは約束した手前ロンだけ誘わなければと考えていたところで思わぬ言葉が飛んできた。
「特に、ローズは来ないようにして下さい。彼女の外観に惹かれて近寄るゴーストもいるかもしれないので」
それは聞き捨てならない。ただでさえ寄り付こうとする人間が多いのに、ゴーストも加わられたら溜まったもんじゃない。
「分かったよ。じゃあ、ハロウィンの日、19時に地下に行くね」
「楽しみにしています」
そうしてハリーはニックと別れた。
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「当日は、地下に来ちゃダメだよ」
念押しするハリーにローズは冗談っぽく眉間に皺を寄せた。
「分かってるよ!ハリーと一緒にいると勘違いされやすいけど、私は決まりを守るタイプだよ?」
ごめんごめん、と謝りながらハリーはホッと胸を撫で下ろした。
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