銀魂( 神威受け)

□宇宙の全てを以ってしても
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宇宙の全てを以ってしても 。




「 あ!あぶと〜!あの惑星お饅頭みたいじゃない?」




書類整理をしていたというのに、例のアホ団長に手を止められた。



うちの団長はどうしてもこうアホなんだろうか。

初めて宇宙船に乗った小学生よろしくあの掴めない笑顔ではしゃいでいる。





「 団長、その惑星の事はどうでもいいんで仕事をしてください 。 」



「 俺あれぐらいの大きいお饅頭食べてみたいな〜仕事はそれから気が向いたらね。 」




なるべく事務的な口調で言ったというのにこの能天気な返事 。

思わず呆れてため息が出る 。



「 何年待ちゃいいんだよ…」



「 そんな事より阿伏兎も一緒に宇宙見ようよ、ほらあの星なんてアイスみたいだよね〜 」





神威は窓にペタンと両腕を付けアイスみたいと言った星を眺めている 。

ちなみに俺にはどの辺がアイスっみたいなのかさっぱりわからん。




「 さっき米4合食ったばっかだろ、晩飯まで我慢しろ。」




神威はちぇーなどと言いながら拗ねた後、窓の外に広がる宇宙を無言で眺めた。




俺も窓の外に目をやってみる。






「 …でもさ、俺みたいな悪党でもこの宇宙は綺麗だと思うよ、何度見ても。」





透けるように白い神威の肌が、星々の煌めきを反射して薄く光り輝いている。


いわば宇宙に散らばる星々の煌めきは神威の色素の薄い肌を、サーモンピンクの髪の毛を、青い瞳を、引き立てていた 。




どんなに美しい惑星でも、



いや、この広大な宇宙そのものと比べても比じゃないぐらい神威の方が綺麗だと俺は本気で思う。







まぁ、口が裂けても言えねえけどな。
俺が言えるのはせいぜい …









「 ああ…月が綺麗だな 、神威 。」





「 えー、月? 宇宙で見たら意外と地味じゃない?俺は地球の方が好きだな〜 」


そういやこいつに学はないんだったな。


「 団長、今日の宿題だ。意味ちゃんと調べとけよ? 」



「 えっ、なんの? 」




「 遠くから見上げてる地球の奴らと違ってこんなに間近で言ったんだ。俺のはスケールがでかいからな。覚悟しとけよ。 」




ぽかん、とした表情の神威の唇にキスを落とすと神威は顔を赤くし下を向いてしまった。




「 よくわかんないけど…覚悟しとくよ。」



「 ああ、そうしてもらえりゃ助かる。」







俺がこんなにも馬鹿みたいに夢中になるのは、

この広い宇宙の全てを以ってしてもこいつだけなのだから。






end*
 

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