ファンタジー作品

□輝く君に護られる
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俺は神楽坂貴人(かぐらざか きと)
この名前は今は旧姓になっている。
今はキト・ハデス
魔王クジャ・ハデスと結婚し、妃として魔王城に過ごす。

この間....と言っても数ヶ月前だけど、俺がハネムーンに行きたいとお願いをしたら、いつも執務で忙しいクジャから行けるということを告げられて、クジャの愛に嬉しくなる。

ハネムーンの間は魔王領地内ではあるけれど、各地を見て回り、それぞれの景色や建物に感動しながら数ヶ月間クジャと楽しいハネムーンを過ごした。

そんなハネムーン旅行も終り、魔王城へと帰宅した。

「やっぱり、いつも過ごす場所は落ち着くね」

これは日本人特有の感情だろうか。
旅先も楽しい。
だけど自宅とは言え、城になるけど懐かしい匂いに風景は、やっぱり一番落ち着く場所なんだと思う。

クジャと並んで歩くと、城の門の前に止まる。

ギィギギギギィという音と共に門が開く。

「おかえりなさいませ。魔王様、キト様」

淡々とした口調で出迎えてくれたのは、クジャの側近を務めるアルド。
アルドは深々とお辞儀をして、俺とクジャに挨拶をする。

「ただいま。アルド」
「....不在の間、ご苦労」
「いえ、魔王様、キト様が無事に戻られた事を魔王城に働く者一同心待ちにして折りました。そして、魔王様には旅でお疲れかとは思いますが、溜まりに溜まった魔王様しか処理が出来ない執務が御座いますので、私(わたくし)は大変お待ちして折りました」

軽い嫌味をアルドは言うも、クジャはそんなこと何のその、といった感じ。
それもこの二人の間からだからなんだろうと思う。
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