0615×1122小説
□僕の目を見て1
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「ホシ先輩!あの…これ…」
震える白い指先に持たれたかわいいピンクの封筒。
今にも泣きそうな顔で、俺に差し出す一通の手紙。
「あ。ありがとう」
そう言って笑顔で受け取ると、
それだけで顔を赤く染める。
「あ…ありがとうございますっ!」
ぺこりと礼をして、後ろの方で待っている友達のほうに駆け足で戻っていく。
…あーあ。
これまたベタな告白だねぇ。
可愛らしいハートのシールを剥がし、中の手紙を読んでみると、見飽きたような言葉ばかりでうんざりする。
「モテる男は大変ですね、ホシ先輩?」
ニヤニヤしながら気の陰から現れたスングァン。
「なんだよ、見てたの?」
「はい、ちょうど通りかかって。うちのクラスの子ですよ〜結構かわいい子ですよね。どうするんです?」
「どうするも何も…興味ないって」
「…はぁ、羨ましいなぁ。ラブレターなんてもらってみたいですよ」
ふぅ、とため息をつくスングァン。
「じゃ、やる」
「ええっ!いいんですか!って、いらないですよ!」
スングァンが投げた手紙を、制服の胸ポケットにしまう。
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