0615×1122小説

□特効薬
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…おかしい。

普段絶対遅刻したりしないジフンが、8時半になるのに登校してこないなんて!!


「ウォヌ!ジュン!ジフン見てない?!」

「ウジ?さぁ…見なかったけど」

「まだいないの〜?」


どうしよう!?事故…?!
いや…まさか登校中に変なおっさんに変なところに連れてかれたとか…!!!


「こうしちゃいられねー!!!ジフンのこと探しに行かなきゃ!!!」

「探しに行くって…もう授業始まるけど」

「あ、先生来たよ〜」

「先生止めないでください!!!俺の…俺のジフンが!!!」

「俺のジフン?あぁ、ジフンなら今日は風邪で欠席と連絡が来たよ」


え…

ジフンが………風邪……?




「なーんだ風邪だってさ。安心だな、ホシ。…ホシ?」

「………死んでる…」

「死んでねえよ………」


ジフナ…俺がついていながら!風邪菌から守れなかった…!!不甲斐ない…
うぅ…きっと今頃熱にうなされてるんだろうな…はぁ…想像しただけでもかわいい……

…いや!こんなこと言ってる場合じゃない!


「先生!体調がものすごくすこぶる悪いので早退します!」

「あぁ…学校にいられてもうるさそうだしもう帰れ…」

「ダメだこの学校…」

「気をつけてね〜」




とりあえずジフンに電話しなきゃ!!
スマホを取り出して、俺の天使ちゃん(登録名)に電話を掛ける。

あ…風邪なのに電話したら迷惑かな。ていうか寝てたらどうしよう…!


『…もしもし』

「あっ!じ…ジフナぁあああ!!!」


弱々しくて少し掠れた声が聞こえる。
声を聞くだけで泣きそうになる…つーか涙出た…


「風邪大丈夫?!熱は?!ちゃんとご飯は食べてる?!」

『…うるせー……げほっ』

「はぁ…!!ごめんもう喋らなくていいから!ごめんね…!」

『ていうか学校は…?』

「えっ早退した」

『はぁ?!うっ…げほっ…バカ野郎!』

「風邪引いてるジフンのこと1人にできないし…学校にジフンがいないと俺どうなるか大体想像つくじゃん…?!」


少し間が空いた後に、それもそうだと返事が返ってきて思わず頬が緩んだ。



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