他CP小説
□ともだちとして
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今でもなんだか忘れられない。
あの時の感触。
ジュンとあんなことがあってから、少しジュンと距離を置くようにしてるんだけど。
「ウォヌ〜トイレ行こ〜」
何事もなかったように、むしろ以前よりべったべたに接してくるジュン。
いや、こいつにとってはどうってことない事だったのかも知れない。
ホシが変な物を見るような目で言う。
「連れションとか女子かよ…気持ちわりーな」
「お前に言われるとはな…」
ホシに抱きつかれたまま動けないウジの顔を見ると、満更でもないような顔をしてるもんだから怖い。
「ウォヌ早くー」
「あ…今行くって!」
廊下で待ってたジュンの所に駆けていくと、あまりにも自然に手を絡めてくるから思わず振り払った。
「ちょっ…」
「あれ?嫌だった〜?」
まるで俺が変なことしたみたいな顔で見てくる。
「いや…繋ぐ必要ないだろ」
「今さらなに恥ずかしがってんの〜?もうキスまでした仲じゃん」
「わーー!!!」
咄嗟に大声を出して誤魔化す。めっちゃ見られたぞ今ので。ここ廊下だぞ。
そのままトイレまでジュンを引きずって行く。
「痛い〜!離して!まったく…ウォヌってば強引〜」
「誤解を招くこと言うなよ…」
楽しそうに笑うジュン。いや…さっきのはいろいろと笑い事じゃねーぞ。
「つーかあれは…キスじゃなくてジュンが勝手にしただけだろ。…つまんないとか言われたし…」
「あれ〜?気にしてるの?」
「…気にしてねーよ」
丸くて大きな瞳でまじまじと見つめられると、逆らえないような気がして怖い。顔を逸らすと、あごを掴まれてジュンの方に向かせられる。
「なっ…なんだよ…?!」
「なんでいつも目逸らすの?俺のこと嫌い?」
「は…?いや、嫌いじゃないけど…」
「嘘だね〜。だってキスしても嫌がるしさっきだって手ぇ払ったりさ…あれは嫌いな人にすることじゃん」
寂しそうな顔でもしてるのかと思ったら、いつも通りの顔で言ってくるから余計焦る。
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