他CP小説

□ともだちとして
1ページ/4ページ





今でもなんだか忘れられない。
あの時の感触。

ジュンとあんなことがあってから、少しジュンと距離を置くようにしてるんだけど。


「ウォヌ〜トイレ行こ〜」


何事もなかったように、むしろ以前よりべったべたに接してくるジュン。
いや、こいつにとってはどうってことない事だったのかも知れない。

ホシが変な物を見るような目で言う。


「連れションとか女子かよ…気持ちわりーな」

「お前に言われるとはな…」


ホシに抱きつかれたまま動けないウジの顔を見ると、満更でもないような顔をしてるもんだから怖い。


「ウォヌ早くー」

「あ…今行くって!」


廊下で待ってたジュンの所に駆けていくと、あまりにも自然に手を絡めてくるから思わず振り払った。


「ちょっ…」

「あれ?嫌だった〜?」


まるで俺が変なことしたみたいな顔で見てくる。


「いや…繋ぐ必要ないだろ」

「今さらなに恥ずかしがってんの〜?もうキスまでした仲じゃん」

「わーー!!!」


咄嗟に大声を出して誤魔化す。めっちゃ見られたぞ今ので。ここ廊下だぞ。

そのままトイレまでジュンを引きずって行く。




「痛い〜!離して!まったく…ウォヌってば強引〜」

「誤解を招くこと言うなよ…」


楽しそうに笑うジュン。いや…さっきのはいろいろと笑い事じゃねーぞ。


「つーかあれは…キスじゃなくてジュンが勝手にしただけだろ。…つまんないとか言われたし…」

「あれ〜?気にしてるの?」

「…気にしてねーよ」


丸くて大きな瞳でまじまじと見つめられると、逆らえないような気がして怖い。顔を逸らすと、あごを掴まれてジュンの方に向かせられる。


「なっ…なんだよ…?!」

「なんでいつも目逸らすの?俺のこと嫌い?」

「は…?いや、嫌いじゃないけど…」

「嘘だね〜。だってキスしても嫌がるしさっきだって手ぇ払ったりさ…あれは嫌いな人にすることじゃん」


寂しそうな顔でもしてるのかと思ったら、いつも通りの顔で言ってくるから余計焦る。



_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ