他CP小説
□秘密
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小4の夏休みの時。
宿題もだいたい終わって、外で遊ぶのも怠いくらい暑い日だった。
3年の時から同じクラスで1番の仲良しだったハンソルの家で、2人で遊んでいた。
とは言っても家で遊べることなんて限られていて、全部飽きてしまって結局テレビを見ることにした。
「なんか面白いのやってないかなぁ」
「ドラマ見よーぜ。母さんがハマってるやつが今ちょうどやってるから」
リモコンの主導権をハンソルに任せて、ジュースを口に流し込む。
そのドラマはよくある感じの恋愛ドラマで、ヒロインとその相手が仲良さそうに見つめ合っているシーンだった。
隣にハンソルが座って2人でテレビを見ていると、ドラマがなんとなく良からぬ雰囲気になってきた。
見つめ合っていた女優と俳優が、キスをしたんだ。
それがちょっと恥ずかしいっていうことは、その時の俺でも分かった。別にキスシーンを初めて見たわけではないけど、ちょっと…照れくさいというか。
ハンソルはどうなんだろうかと思ってちらっと隣を見てみると、食い入るように画面を見ていて少し驚いた。
「スングァン!!」
「えっ!?な、なに?」
「見た?今の!キスしてた!」
目をキラキラ輝かせて大興奮しながら言うハンソル。
「キスってどんな感じなんだろうな!すげえ!」
「親としたことないの?」
「家族とはスキンシップみたいなもんじゃん。家族以外とするのってまた違うだろ!」
「ふーん」
そういうもんなんだってテレビに視線を戻すと、ヒロインのライバルが乱入してきて大変なことになっていた。まぁ、大体お決まりのパターンだ。
いつもこの辺で飽きるんだよね、とテレビを消すハンソル。
再び静かになって、何しようかと考える。
沈黙を破ったのはハンソルだった。
「なぁスングァン、してみない?」
「ん?何を?」
「キス」
「…え」
「どんなもんか気になるだろ!」
興奮が収まりきらない様子のハンソル。
新しいゲームを思いついたときみたいだった。
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