色々

□いいいい
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一体どうしてこうなったんだ。

「…はぁ…」

俺を慰めるカノは、それでもいつも通り、へらへらしている。

「大丈夫〜?シンタロー君。…いやあ、結構ヤバいかもね、あれ。君何したのさ」
「知らねぇよ…」

俺は髪を乾かしつつ、横目でカノを睨んだ。

「…なぁ」

ドライヤーに声が遮られているせいか、カノは反応しない。電源を切り、少し強く声をかけてみる。

「なぁ、…カノ」
「へ。あぁ、何?ごめんごめん」
「お前、俺の事嫌いか?」

ぽかん、とカノが口を開ける。なんて顔してんだよ。

「いやあ、…ええと…」
「…はっきり、言ってくれないか…こわい、から、」
「…まあ、ねぇ…そうだね、いつかちゃんと言わなきゃって思ってたんだ―僕は、君の事が、『嫌いだった』」

ぐさり。
分かってはいた。薄々そうなんだろうって、気づき始めていた。だけど、やはり傷つきはする。
そうだよな。これでもう、居場所は潰えた。俺はいよいよ独りなのだ。
恐ろしい。どうすりゃいいんだ。誰か、どうか助けてくれ…

「…『だった』?」

ふと気づいて、思わず口にする。過去形なのはどういう意味だ?

「そ。『だった』―昔は君のこと、大嫌っいだったよ。だけど、もう疲れちゃってさぁ…なぁんか、馬鹿らしくなっちゃった」

自嘲気味に笑うと、カノはつまらなさそうに俺のジャージを撫でた。

「姉ちゃんから好かれてて、それだけでも面白くないのに、自殺を止められなくてさぁ。そのくせヒーローだなんてカッコイイところは持っていっちゃって。ホント嫌いだったよ」
「…」
「…ま、悪いのは君だけじゃないんだけどね」

はいはい、終わり。
カノがやおら立ち上がる。手を叩いて話を打ち切ると、そいつはすっかり乾ききった俺の髪をくしゃりと撫で、曖昧に笑って見せた。

「…ごめんね、シンタロー君」
「…へ、」
「これくらいしかできないけど、勘弁してよね」

そう言って、カノはベッドに座る俺をぎゅっと抱きしめた。
…いきなりすぎて頭が回らないんだが。
そいつの体温だとか鼓動だとかが、全部伝わってくる。ヤバい。何だか知らないが、照れる。

「嫌な予感がするんだよねぇ。…あーあ、めんどくさ」

ぱっと身体を離すと、そいつはほんの少しだけ恥ずかしそうに俺を見下ろした。

「…ほんっと、君って奴はいけ好かないや」

「…え、あ、あの、」
「あああもううっさい!今の話とか全部なし!助けてあげないよ!?」

だから昔の事は話したくないんだ、とかガラじゃない、とか呻くカノに、俺はふっと笑みを見せた。

苦手な方はご注意ください。

続いてしまった…申し訳ない。
今更ですが、シンタローが可愛そうです。色々。

いつもご閲覧有難う御座います。

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