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□夢のあなた*2*
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それからちょくちょく、テヒョン先輩と学食で出くわすことが多くなった。


最初こそ、まだ俺に水をかけたことを気にしているのか、よそよそしい感じだったが、一週間も続くとヘラヘラと笑って


「グキや〜」

と頭を撫でてくるようになった。距離感の分からない人だな、と最初は正直迷惑だった。


しかしどうしたことか。母親が忙しくて弁当を作る暇がないというのもあるけど、俺は学食に足しげく通うようになっていた。


そこで分かったのは、テヒョン先輩が来るのは火曜日と木曜日だけだということ。


狙って行く俺はなんなのか。分からないけど、確かに足取りは軽かった。



何度見ても、テヒョン先輩は綺麗なひとだった。男なのに。その周りできゃあきゃあと騒ぐ女の子達の、何倍も綺麗で儚い。


思うことはそれくらいだったのに、困ったことになった。
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