俺得オリジナル小説まとめ

□影と、絶望と
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※これ以降はいつか、またのネタバレを含みます







……闇の神殿。
かつて、人々から恐れられていたとある魔物がいた神殿。
そして、邪竜や魔王のところへ向かうための一番の近道。

ゼロ「…それにしても、こんだけ広くて重大なところなのに番犬の1匹もいないんだな。」 

先程から聞こえるのは一行の足音と話し声だけ。
かなり重要なところなのに魔物の呻き声ひとつしない。

キル「うん、確かにそうだね。何か怪しいかな。」

ゼロとキルがそんな話をする。
……そんななか、セレノが一人黙っていた。
ちなみに、ルナはというと別世界にまで広がった邪の力の影響で崩壊しかけている世界の修復や人間界への邪の力の干渉を極力抑えたり等々各々の世界の管理人達の方の手伝いに奔放している。

セレノ「あの頃の…ままだな……」

忌々しき過去を振り返りながらセレノが呟く。
セレノがルナの影として生きていた時代。
どうやらその頃もここはほとんどセレノ一人で監視していたらしく、その分様々な仕掛けがあったらしい。

キル「セレノ…無理だけはしないでね?」

キルが心配そうにセレノの方
を見る。
セレノはいまだに過去の力を使いこなせてはいない。
あの頃の記憶に、力に、そして魂に、時々自分という存在を奪われけているのだ。

セレノ「…わかっている。」

セレノはそう答えたあと、「そこは右だ。」とも言った。
ここの神殿にどのような仕掛けがあって、それがどこにあるのかというのは昔から何一つ変わっていないためセレノの記憶に頼って進んできているがなかなか着きそうにない。

ゼロ「それにしても…お前はこんなにだだっぴろい神殿に一人でいたのか?それなら移動とかどうしてたんだよ。」

セレノ「…まあな。一人でいても特にどうとは思わなかったし。移動か?…昔はここの神殿の影と同化して影を経由して移動していた。圧倒的に短時間で移動できたからな。……まあ、移動すると言っても主にここを攻略しに来た奴らの亡骸を回収しただけだが。」

昔はもっと物騒だった、とセレノが語る。
そして、魔王の命令によってはセレノ自身が人間を殺めることもあったんだとか。

キル「…これよりも物騒とかかなり大変だったんだね……」

キルが足元に落ちていた人間の頭蓋骨をみて呟く。
今は誰もいないはずの神殿。

亡骸を回収することがないので辺りには骨やら血痕やら色々残っている。

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