Rising etait mort
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空が明るくなってきた、か
眠い‥‥
結局眠れなかった、な
大体こんな汚い場所に眠れるわけないじゃない
コートはハリーに譲ったから寒かったし、さ
いやね、何が入ってんのかわかんない臭そうなコートより毛布のがましと思ってハリーに譲った私が悪いんだけど、ね
それにしても11年間長かった、な
ふと横を見るとハリーが気持ち良さそうに眠っていた
闇の帝王を倒した英雄になんてとてもじゃないが、見えない
もぞりと寝返りをうち仰向けになったことで晒された白い喉が目に入った
(今ここでこの白い首を締めたら、
この子は一体どんな顔を見せてくれるのか、ね)
ゆっくりと首に右手を伸ばしかけた、瞬間
トン、トン、トン
窓を叩く大きな音がした
焦げ茶色のふくろうが足の爪で音を立てている
リジーは鋭い目でふくろうを睨みつけた
(ふくろうごときが私の邪魔をしやがって‥‥
良い度胸じゃない)
すっと立ち上がり窓に向かおうと思った矢先
「わかったよ、起きるよ」
ハリーはもごもご言った
ハリーは起き上がると、
もう先に起きているリジーに甘えるような声で
「おはよう、姉さん」
そう言って笑った
リジーは込み上げてくる嫌悪と吐き気を押し殺し綺麗に笑って魅せた
「おはよう、ハリー」
(ああ)(早く)(その顔を)(驚愕と恐怖で)(染め上げたい)