二次創作

□リスタート
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少し風が強いけれど、良く晴れた日だった。
卒業日和。まさにそんな日だった。

昨日、高校を卒業した私は、大学の入学式まではただの「河野桜」。
高校生、というラベルを剥がされるとこんなに不安、というよりも不確かな感覚がするなんて思ってもいなかった。
思えば平凡でつまらないものになると思っていた高校生活は、終えると、人よりずっと楽しくて面白くて、少しだけ突飛なものだった。
きっとそれは、レミのおかげで、仙石くんのおかげで、堀さんと宮村君のおかげで、ついでに井浦くんのおかげで、吉川さんのおかげで。
石川くんのおかげだった。
あと。あとは。

ピピピ・・・・と、アラームが鳴る。
今日からは早起きしなくても問題はないけれど、目覚ましのセットを解除するのを忘れていたのと長年の癖で、結局いつも通りの時間に起きることにした。

洗顔も着替えも朝食も済ませて、やることが特にないことに気づく。
今日一日何をしよう。家で漫画や本でも読んでいようかな。そういえば、しばらく書店に行っていない。何か面白そうな本でもあったら買おうかな。行きつけの喫茶店もダイエットでご無沙汰だった。最近少し痩せたから、甘いものを食べるのもいいかもしれない。
出かける準備をしよう、と、あることを思いつく。
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