長編 『 お隣さん。 』
□プロローグ
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AR side
「おお!ここかー!!」
なんとか無事に大学1年生を乗り越えた俺は、今日から東京で一人暮らし。
俺の通ってるT大学は1年生が千葉のキャンパス、2〜4年生が都内のキャンパスと分けられている。
もともと千葉に住んでいた俺は1年次は難なく実家から通えたが、
2年次からは千葉といってもキャンパスまでは少し遠い。
そこで両親と相談し、東京で一人暮らしをすることに決めた。
父ちゃんは
「大貴は兄ちゃんに甘やかされて育ったからなぁ、自立するためにもいい勉強になるだろ」
と一人暮らしをすることに賛成だった。
しかし、母ちゃんは
「自立するためにはいいかもしれないけど…料理はできないし、洗濯機の使い方はわからないし、勉強はついていくのがギリギリで…ちょっとお母さん心配よ?」
…と。
てか、俺ボロクソに言われてね?!
すごくダメな子じゃん!!
洗濯機の使い方ってなに?!
説明書見りゃわかるわ!!
とまあ、母ちゃんは心配していたが父ちゃんと俺の説得でなんとか承諾を得て、
母ちゃんの気が変わらないうちに物件を探しに不動産屋へ。
言い出したのが遅かった俺が悪いが、大学近辺の物件は空いておらず、
遠いわけではないが大学の最寄駅から電車で10分ほどの駅、
そこから少し歩いたところにあるアパートに決めた。
家賃は(俺は親に出してもらうけど)少し高めだが、日当たりもいいし、全部屋フローリングの1LDK、風呂トイレ別。
近くにはコンビニとかスーパーもあるらしく、かなり便利。
なかなか最高じゃない?
ということでこのアパートで即決して、バタバタと引っ越し準備を終わらせた。