長編 『 お隣さん。 』

□お隣さん。7
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眠い……

シャーペンと紙が擦れる音と、コソコソと話す誰かの声。

それらを覆うようなマイクを通した教授の大きな声が響く授業中。

眠気が襲ってくる。

この教授って話したいことだけ話してあとは自分でやってねっていう感じの授業だから、まあ楽っちゃ楽。

周りは真面目に書いてる人もいれば、最初っから爆睡の人もいる。
友達といる人はコソコソ話してるし、ずっと携帯いじってる人だっている。

俺も話ぐらいは聞こうと思って頑張ってるけど、どうも瞼がさがってきちゃう。
まあ居眠りなんて高校のときからしょっちゅうだったし、そう簡単には抜けないよな〜。

山田がいればちょっかいだして遊んでれば楽しいんだろうけど、あいにく違う学科だから同じ授業は取れない。


そういえば先週の俺の誕生日。
俺は映画の途中でいつの間にか寝ちゃってて、起きたら山田はいなかった。

というか、日付が変わってて終電もなくなる時間だったから帰ったらしい。
部屋にはいのちゃんだけだった。

山田起こしてくれればよかったのに…

って、俺が寝起き悪いの知ってるからきっと面倒だったんだろうね。

いのちゃんにそのことを聞いたとき、なぜかいのちゃんは気まずそうに目をそらしてた。
山田となんかあったのかなって思って聞こうと思ったら、すぐ話変えられちゃったし。

山田のやつ…また変なこと言ったんじゃないだろうな…

でも話を変えられたあとは普通にいつも通り話してたから大丈夫だとは思うんだけど…
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