長編 『 お隣さん。 』
□プロローグ
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そして3月中旬、今に至る。
物件を見に行かずその場で即決したため、今日初めてアパートを目の前にした。
アパートは2階建ての各階3部屋ずつになっていて、俺の部屋は2階の真ん中、202号室。
階段は建物の正面にあって、1階左の101号室のところから俺の部屋と203号室の間の廊下に斜めにかかっている。
引っ越しのトラックが来る前に掃除しちゃおうと思い、階段を上って部屋の扉の前に立ち、鍵を取り出す。
うっわぁ、なんかドキドキする!
新しい自分の家ということにワクワクしながら鍵を差し込み、扉を開けて中に入る。
3年ほど誰も住んでいなかったらしく結構埃っぽい。
とりあえずキレイにしないと荷物も運べないよな!
ってことで掃除を始める。
だいぶ綺麗になってきたなってところでポケットに入れていたスマホが鳴った。
「はーい、もしもしー?」
『あ、大ちゃーん?今アパートの前着いたんだけどさ、部屋わかんねぇから出てきてくんね?』
「お、まじで?今行く!」
電話を切って外に出ると、下の駐車場に俺の高校からの親友、山田がスーパーの袋を提げて立っていた。
「やまだー!上、上!!」
俺は下に降りるのが面倒だから2階から手招きする。
「ったく、来てやってんだからお出迎えぐらいしろよなぁ?」
と言いながらもスタスタ上って、部屋に入る。
「ごめんごめん笑。てか、来てくれてありがと!ほんと助かる!」
「親友のためならやりますよ〜。あと部屋見たかったし。結構いい部屋じゃん!」
山田は同じ大学だけど、実家が東京にあるから2年からも実家暮らしだそう。
俺も一人暮らししたーい!
とか言いながら部屋の掃除を手伝ってくれてる。
引っ越しのトラックもすぐに来て、家具やらダンボールなどを運ぶのを手伝って、
とりあえず、すぐ使うものだけを出して今日の片付けは終了!!
まだダンボールは少し残ってるけど、あとは1人でできそうだし明日でいいよね。