ツバサ・クロニクル

□桜の国
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ぽんっ



ゴバア



パアアッ



シュルン



ファイ「さーて。今度はどんな国かなー」



ザッ



全員「!?」



「「「「ようこそ!桜都国へー♡」」」」



ツバキ「・・・・・・は?」



突然目の前に現れて歓迎してきたのは、「歓迎する課」と書かれた腕章を着けた女性達だった



ファイ「わー。可愛い女の子、いっぱいだー」



黒鋼「まとわりつくな!」



「あらあら。皆さん、変わった御衣装ですね。異世界からいらしたんですか?」



全員「!?」



小狼「異世界から人が来ることがあるんですか?この国では」



「勿論。この国を楽しむために、皆様色んな国からいらっしゃいますわ」



「まだ住民登録されてないんですか?」



小狼「?はい」



「それはいけないわ!早速、市役所へお連れしなければ!!」



「「ささ、参りましょ!参りましょ!」」



ファイ・モコナ「「はーい」」










桜都国中央市役所



「【にっこり】桜都国へようこそ!こちらにお名前をどうぞ」



ツバキ〈『すぐやる課』って・・・〉



「今まで使われていたのと違っても、大丈夫ですよ」



ファイ「んー♪偽名でいいってことかなー?」



「はい」



ファイ「んじゃ、オレがみんなの分も書いとくねー。こんなんでもいいのかなー♪」



小狼「あ!あ!ファイさん・・・それは・・・」



ツバキ「ちょっとあんた!何書いて・・・!」



「はい、承りました」



ツバキ「承んな!」



「では職業はどうなさいますか?」



ファイ「この国は旅人も働かなくちゃだめなのー?」



「構いませんが、働かないとお金がなくて何も出来ませんよ?」



ファイ「そりゃそうだねー」



「とりあえず、住む所をお決めになりますか?良い物件をご紹介しますよ」



ツバキ「そりゃあ有り難いけど。ねぇ、この国の通貨は?」



「園です」



ファイ「持ってないよねぇ」



小狼「はい」



ツバキ「私、ゲーセンのコインしか持ってないしね」



「何かお持ちの物があったら、換金できますよ」



サクラ「【うとうと】」



ファイ「黒わんわーん!袋、持って来てー!」



黒鋼「【💢】人を犬みてぇに呼ぶなー!!」



サクラ「【びくぅっ】」




















ファイ「ジェイド国と高麗国の服、買ってくれて良かったねー。小狼君の言う通り、とっといて良かったよ」



小狼「他国の衣装が貴重な国もあるので」



ファイ「それも、お父さんと旅してた時の知恵ー?」



小狼「はい」



黒鋼「くつろいでていいのかよ。見張られてるかもしれねぇんだろ、誰かに」



ファイ「【だらぁ〜ん】んー。でも、ずーっと緊張してるのは無理だしねぇ。リラックス出来る時にしとかないとー」



黒鋼「【💢】お前はだらけっぱなしじゃねぇか!」



ツバキ「あはは!でも残念ながら、今回はファイの言うことにも一理あるわ」



黒鋼「あ?」



ツバキ「ずっと気を張ってると、こっちが先に参っちゃうよ。今はまだ、ゆっくりしててもいいんじゃない?勿論、気の抜き過ぎもどうかとは思うけど。まあとりあえず、寝床は確保できたし」



そう言って首を回すと、ソファですでに寝入ってしまったサクラを見る



モコナが用意したクッションを枕代わりに、すやすやと眠っている



ファイ「後は・・・モコナ」



モコナ「本当に少しだけど、サクラの羽根とツバキの蝶々の力、感じる。どっちもこの国にある」



バチィ



ツバキ「つっ!?」



ガシャーン



4人「!?」



割れた窓の方を見ると、異形な何かがいた



ファイ「わー。お家を借りたら、いきなりお客さんだー」



黒鋼「招いてねぇがな」



異形な何かは、こちらを攻撃してきた



それを避けるが、2撃目を避け切れなかった小狼



右肩を掠ったが、蹴り技で相手を仕留めた



ファイ「お疲れ様ー」



モコナ「おつかれさまー」



ツバキ「なんなのよ、こいつ」



ファイ「可愛い女の子が出迎えてくれたり、綺麗な家紹介してくれたり。親切な国だと思ってたけど、結構アブナイ系なのかなー」



ブア



小狼「消えた!」



ファイ「やっぱり、危なそうな国だねぇ」



翌日、小狼とファイとモコナは再び市役所を訪れた



ファイ「こんにちはー」



「こんにちは。昨晩はご活躍でしたね。報奨金が出ていますよ」



小狼「え?」



鬼児(おに)を倒されたでしょう?」



ファイ「なんで知ってるのかなー」



「鬼児の動向を市役所が把握しているのは、当然ですが」



ファイ「そんなものなんだー」



「そんなものなんです」



小狼「鬼児っていうのは、この国ではどういう存在なんですか?」



「鬼児は、この桜都国に現れる敵。倒すべきものです」
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