xxxHOLiC

□必然
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椿「蓮沼椿です。よろしくお願いします」



スッと腰を折り、綺麗にお辞儀をする少女



教室にいる誰もが、彼女に見惚れていた



「は・・・蓮沼の席は、四月一日の隣だ」



椿「ワタヌキ?」



四月一日「あ、ここだよ」



小首を傾げて名前をリピートする



気づいた彼・ワタヌキが軽く片手を上げて教える



椿「ありがとう」



四月一日「どう致しまして。おれは四月一日君尋、よろしく」



椿「ワタヌキ、キミヒロ・・・・・・よろしく」



小さく微笑んだ椿に、四月一日も笑みを浮かべる



椿「・・・・・・ところで、四月一日君」



四月一日「何?」



椿「あなた、もしかして視える人?」



四月一日「えーー」



椿「・・・・・・」










ひまわり「私、九軒ひまわり。よろしくね、椿ちゃん。あ、椿ちゃんって呼んでもいい?」



椿「・・・・・・よろしく。構わないわ」



椿〈この人・・・〉



ひまわり「あたし、このクラスの学級委員長なの。何かわからないことあったら、なんでも聞いてね」



四月一日「ひまわりちゃん、優しいなぁ!」



椿「【冷汗】・・・」



ひまわり「あ、そうだ。椿ちゃん、何か部活はやらないの?」



椿「部活・・・・・・特に考えてなかった。今日、いろいろ回ってみようかな」



ひまわり「良かったから案内しようか?」



椿「いいの?」



ひまわり「もちろん!四月一日君も一緒にどう?」



四月一日「もちろん行くーーあ・・・蓮沼さんさえ良ければ」



椿「構わないわ」










四月一日「蓮沼さん。聞いてもいい?」



椿「何?」



四月一日「さっきの・・・・・・“視える人”って質問のことだけど」



椿「・・・したわね、そんな質問」



四月一日「あれってやっぱり、アヤカシとか幽霊とかのこと?」



椿「・・・・・・あ」



四月一日「え?」



沈黙してしまった椿だったが、ある場所を見て声をあげた



釣られて四月一日もそちらを見ると、ちょうど弓道場の前だった



ひまわり「弓道に興味あるの?」



椿「やってたから、少しはね」



ひまわり「じゃあ覗いてみる?」



四月一日「【ボソッ】待てよ・・・確か弓道部には・・・」



ひまわり「あ、百目鬼くーん!」



四月一日「やっぱり!!」



百目鬼「ん?」



ひまわり「今、休憩中?」



百目鬼「ああ」



短く答えた百目鬼の視線はひまわりから、彼女の後ろで四月一日と並んで立つ椿へと移った



ひまわり「私達のクラスに転校してきた、蓮沼椿ちゃん。こっちは百目鬼静君」



軽く会釈した百目鬼に対し、椿も同じように軽く頭を下げた



ひまわり「百目鬼君は、弓道部の部員なの」



四月一日「いいよ、ひまわりちゃん!こんな奴の紹介なんかしなくても!」



椿「・・・・・・あなた、神聖な場所に所縁のある人?」



百目鬼「一応、俺の家は寺だが?」



椿「・・・なら、私とは似た者同士ね」



百目鬼「?」



椿「・・・見ていってもいい?部活」



百目鬼「ああ」
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