りくしょん(短編)
□無意識
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-HYESUNG side-
それはANGELのMV撮影していた時だった。
エリックと屋上で殴り合うシーン。もみ合っている時に膝をひねった。
崩れ落ちる僕をエリックが支えてくれた。
「っあ!!!〜〜〜〜〜〜!!!!」
声にならない痛みが襲う。
スタッフが慌てて僕からエリックを離し集まってきた。
医療スタッフが膝の状態を見ようと足を掴んだ瞬間、また激痛が襲う。涙が出る。
「ゔっ!えりが〜!」
僕は無意識にエリックを呼んでいた。
瞬間、エリックが僕に膝枕をして手を握った。
「痛いよ、えりが〜...」
エリックの匂いに安心してその腕にしがみついた。
「ごめんな...ヘソン...」
「ヘソンさん。歩けますか?検査をしに病院に行かなければならないのですが担架が無いので歩いてもらうことになります。」
「ぁ...だいじょ「自分が運びます。」
エリックが大丈夫と言おうとした僕をさえぎった。
「おんぶするから、少し動けるか?」
「うん。。。」
一般より細いといっても男である僕は重いはずなのにエリックは軽々と僕を背中に乗せた。
その広い背中に顔を埋めたらまた涙が出た。