冒険の書
□虎は駆ける
ここは森に囲まれた平和な耶麻香[ヤマカ]村。
遙か昔、女王耶麻香が切り開いたことからこの名が付いたという。
秋の期には木々が赤や黄色に染まる、それは美しい村だった。
この村に住む少年、泰琥[タイク]。
泰琥は日頃より面倒事を嫌い、いつも木の上で昼寝をしていた。
今日も昼の温かな日差しを浴びて安らぐ泰琥。
しかし、そんな平穏は唐突に打ち破られた。
「こぉら泰琥っ! またそんな所で学屋さぼって!」
「げっ! 紀ぃ姉!」
幼馴染みの紀御子[キミコ]だった。
年は泰琥より二つ上、だから紀ぃ姉。
すると、いきなり自分の木が揺れ出し、泰琥は慌てて根本を見下ろした。
下ではなんと、何時の間に来たのか紀御子が、木をぐらぐらと揺らしているではないか。
「ほぉら! 早く下りてきなさーい」
「うわわっ。その前に落ちるっての!」
このままだと確実に紀御子の餌食になる。どうする…?
- 諦めて下りる。
- 家の屋根に跳び移る。
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