Autumn daffodil

□恋人未満
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「あれ?店長どうしたんですか?」
「ん?あぁ、倉本か、お疲れさま」
「お疲れさまです。………何か問題でも?」
「いや……ちょっと失敗してなー。この薬剤仕入れんの忘れた。………とりあえず、発注して届くまでの繋ぎが絶対必要なんだよ…明日買いにいくしかねぇわ……」
「それって、どこに買いに行くんですか?」
「駅地下の『capello』だけど?」
「じゃあ、一緒に行っていいですか?私もそのお店で買いたいのありますし……」
「あー……でも、夕方になるけど……」
「いつでも構いません。店長に合わせますので」
「そうか?……じゃあ、明日16時に駅前の時計台でいいか?」
「はい!明日お願いします。では、お先です」
「こっちこそ、よろしく。お疲れさん」
倉本は店を出ると、店内からは見えないようにガッツポーズをとり、足取り軽く帰っていった。



その頃、スタッフルームではー
「倉本さんって、やっぱ店長狙いだったのねー」
「みたいっすね。倉本には悪いけど、アレは………」
「うんうん、店長眼中にもないと思うよ?莉桜ちゃんが来たときって、テンション上がってるし、私らがヘマしない限りずっと甘々なんだもん」
「やっぱ、アレって兄妹みたいな感じじゃないですよね?」
「違う違う。でも今日はまだ大人しいほうだったんだよ?お客さんいっぱいだったから。ねぇ、遼汰くん?」
「そうっすね。いつもは、オレらが居ることすら忘れてんじゃねぇかってくらい二人の世界だし」
「…………へぇ……」
遠い目をしながらいう遼汰に泉も同意し、その姿を知らない足立は、雄士に対する印象が少し変わったようだった。
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