Catchfly

□約束
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「入れよ」
「お邪魔しまーす……」
恐る恐る入りまず通されたのは、広いリビングでキッチンもあり、テーブルと椅子にソファー、テレビといたって普通の感じで、だけど生活感とかはなかった。
(………こんな立派なところで一人暮らし?)

「……普段は使ってねぇよ」
「え…?」
見透かしたように舷が言ってきて、私は少しビックリしてしまった。
「生活感ねぇだろ?今住んでんのはボロアパートだ。ここは……まぁ親が与えた家だから…俺、今反抗期な訳。ほったらかしで、金さえ渡しときゃ親の務め果たしてるって思ってるような両親だからさ、基本この家は使ってねぇ。……ま、1週間だけなら俺のとこよりこっちのが勝手いいからお前も気楽に過ごせよ。………わかってると思うが、実家に帰るなよ?土曜の夕方には解放してやる。……あぁ、1週間後に気が変わったら延長もありにしてやるからな」
「………なっ…それはあり得ないから!」
「ふーん、まぁいーけど。………さて、とりあえず部屋としてはこっちだ」

そう言って案内された部屋は、10畳くらいの洋室でクローゼットとダブルサイズのベッドが1つ置いてあるだけのシンプルな部屋だった。

「とりあえず、荷物置いてゆっくりしろよ」
「………うん」
「……もうすぐ、自由な時間はなくなるからな」
「……え?…何か言った?」
「いや、何も?」
部屋を出るときにボソッと言われた気がしたけど、聞き取れずにドアが閉まり、私はポスッとベッドに倒れた。



ーコンコン
「雍娜、風呂入れよ」
「……は?お風呂!?」
「そ。風呂」
「………だって、まだお昼……」
「……今からの展開……わかんだろ?」
「………ちょ…舷……?」
ギシッと布団に乗って迫ってくる舷から逃げようとしたけど、両手を掴まれて布団に押さえつけられてる状態では、どうすることもできなくて。

「………げ、ん…」
「……約束だからな?逃がさねぇぞ?このままシテいいんなら、俺はそれでいいけど?」
「………やっ、離…して……嫌……」
「雍娜。わざわざ聞いてやってんだ。……煮えきらねぇなら……」
「………っっ!?待っ!お風呂!お風呂入るからっ!」
すっと、舷の手がスカートの中に入ってきたから、私は叫んだ。

「最初から言えよ。……2つ目だ。今から1週間はお前の身体は俺のもんだ。俺の好きな時に抱くぞ。いいな?」
「……や……舷……何で……」
「わかんだろ?お前の身体目当てだよ。……で?返事は?」
「…………っっ……は、い……」
返事をすると、舷はクスッと笑みを浮かべて私から退いていった。
私は、着替えなどを用意して浴室へ向かった。


まだ昼間だというのに、今から何が始まるかなんてわかりきったことで……
私は、舷のことが少し怖くなりながら、浴槽につかった。
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