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□出会いと別れそして期待
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「よし、じゃあ今日はこの4班で演習するゾ〜」

爽快な青空が広がるここ、木の葉隠れの里の演習で、そんな声が響く。
声を出したのはこの男、はたけカカシ。
写輪眼のカカシと他国にも名を馳せている彼の身なりは片目と口元を隠しているためとても怪しい。
そんな彼、はたけカカシは里では遅刻魔として有名であり、毎回任務内容を知らされておらずカカシのせいで遅刻してくる7班の下忍達を皆が哀れんだ目で見つめている。

午前に始まる予定だった演習は、午後からの開始となり、皆が組手を始める。

「キバァァァァ!!勝負だってばよ!!」

開始の合図と同時に、ナルトが叫びながらキバに飛びかかる。その姿はバトル漫画の見な脇役そのものであった。

「ほう、そんな、もの、か!!」

「っ、まだまだぁ!!」

次はサスケとネジの方から聞こえてくる。
この2人は里の有名な一族であり、両人、共に天才と名を馳せているため、競争心が湧いたのだろう。
かなり本気で組手をしている。

カカシはそんな2人に次の相手まで体力を残せるのか心配になりながら辺りを見渡していく。
いのとチョウジ、シノとリー、ヒナタとテンテン、3組とも特に目立つような事はなく、真面目に
組手をしている。

「ん?」

1組足りない事に気づいたカカシは辺りをキョロキョロと見渡す。

すると、少し離れた所にある木の下に、探していた薄紅色と黒色を見つけた。
この2人、サクラとシカマルはもっぱら頭脳戦が得意な為、体術は人並みで優れている訳ではない。

こちらも問題はなさそうだ、そうカカシが考え後ろを振り向くと、ビリビリと殺気を感じた。
同じものを感じたのであろうアスマとガイが1度こちらを向き、子供達を集め始めた。
そしてカカシは敵の人数を確認しに森の中へ消えて行った。

「皆、こっちに集まってくれ」

突然のアスマからの収集命令に皆が一箇所へ集まる。
すると、紅が素早く結界を展開させた。

「おい、これどういうことだよ!!」

「どうなってるんだってばよコレ!!」

「先生、説明してください!!」

「チッ…」

「どういうことですかガイ先生!」

「おい、説明しろガイ」

「そうですよ!!」

いきなりの事に下忍達は焦り、状況を確認しようとする。
するとそこに、人数を確認しに行ったカカシが帰ってきた。

「いや〜不味いねぇ、敵さんまさかの大人数だよ…ざっと100人強」

カカシが発した言葉で、皆嫌というほど今の状況をわかってしまった。
自分達は奇襲を受けているのだと。
皆が沈んでいるなか、ヒナタがあることに気づいた。

「皆、サクラちゃんとシカマル君がいない…!」

皆驚きながら辺りを見回すが、確かにシカマルとサクラがいない。

「おい、彼処…」

この中で一番目がいいネジが大きな木下を指さす。
皆が目を凝らしてそこを見ると、サクラとシカマルが未だ組手をしている姿が見えた。

「ッ、まずい…!」

シカマルとサクラを連れてくるためカカシ達が走り出す。

「はぁぁ!?あいつら何やってんのよ!!」

「いの落ち着いて、多分声が届かなかったんじゃないかな…」

「っ、おーい!!!!シカマルー!!サクラー!!」

皆がサクラ達を呼ぶがその声は届いていないらしく、2人は組手を続けている。

ガサッ

敵が森から飛び出し、苦無でサクラ達を刺そうとする。
カカシ達は敵に足止めをされ間に合わない。

グサッ

そんな音が演習場に響く。
下忍達は恐れ、目を閉じていたら、鋭利な物で肉を貫通する嫌な音が聞こえてきた。恐る恐る、皆が目を開くと。
そこには同期ではなく、敵であろう男が絶命している。
「な、何が起きたんだこれは!!」

ガイが叫ぶ、カカシ達上忍は目を見開き驚いているためカカシ達がやった訳では無いのであろう。

もう1度木の下を見ると、目で確認できるほど黒い殺気が見える。

敵も驚き、そこを凝視しているとパキパキと指を鳴らす音が聞こえてくる。

「おいおい、俺達の2人っきりの時間を邪魔するなんざいい度胸だなぁ…え?」

「シカマル、そう怒らないの」

「いやいや、これは死んで償ってもらうしかねぇよなぁ?」

「うーん…そうねぇ、私もこの時間好きだし」

「決まりだな、行くぞ"夜桜"」

「了解、"哀彩"」

2人が話終えると、一気に敵へ近づいていく。

刹那響き渡る爆発音、2人以外は皆驚いて身動きが取れない。

ザシュ

人を切る音が聞こえる

「ちっ、無駄に人数が多いな…」

「早く帰りたいし、あれやっちゃう?」

「ああ、俺らの愛の結s「ん?」…必殺技」

2人が動くのをやめる。すると、彼等がいつの間にか握っていた紅と黒が怪しく光る刀を鞘に納めると、瞬時に敵の周りにワイヤーをはっていく。

「いくわよ…私達の必殺技!!」
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