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□魔女狩り
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第一章 : 悪魔は深夜に動き出す


「ふぅ〜ん。今日は呑気にこんなとこ来てんだ。」
「いや、別に呑気にって訳じゃないけどさ」
「どうせ、レポート終わらせてないんでしょ?明日朝一でやってやろうか?」
「いや、やってなかったらこんなとこいないって」
「あ、そう」


深夜零時を回った頃。
繁華街は少し騒がしくなる。
新しくできたこのクラブは、なにやら若者を中心に人気が出ているらしい。
まあ、俺はそんなことどうでも良くて、暇だから来たって感じだけど。


「それで〜?お前がどうしてここにいるんだよ」
「いや、俺だってこういうとこ、来たい時だってあるんだよ」
「ふっ、お前がこんなとこにいるなんて、変なの」


ワインを片手にクラブの端にあるバーのカウンターにヒョイっと座ったミンソクは、俺のことを見るなり鼻で笑った。なにやらミンソクはここの常連らしいけど、俺がここにいることが面白くて仕方がないらしい。


「で?何かあるんじゃないの?ここにいる理由」


ミンソクにそう言われて固まる俺。
なに、もうバレてたりするのか。こいつの勘は侮れない。
でも、ここは冷静に。ミンソクにバレたら厄介だ。


「別に、なんでもない」
「ふうん。」


ミンソクにバレないように、辺りをキョロキョロと見渡した。
よかった。まだ来ていないみたいだ。

でも途端にクラブの方がなんだか騒がしくなる。

あぁ、来たんだな、と。
俺は確信した。
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