-Short Story-

□溺
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今日はたまたま深夜バイトで1時半までだった。いつも自転車で来てるし、今日は一段と寒くて、冷え冷えする。ああ、早く家に帰りたいなんて足早に帰る用意を済ませた。

今日は常連さん誰もこなかったなあ。なんて少ししょんぼりしてたんだけど、まあ、流れ作業を黙々としていただけなんだから、まあそれはそれでいい。商品の補充して、レジするだけの流れ作業。退屈だったけど仕方ない。


「お疲れ様でーす」


代わりの人が来て、交代でスタッフルームで着替えをして、自転車に跨ろうとした時だった。


ねちょっ


っとサドルに何か気持ち悪い感覚がする。
なんでこんなに濡れてるんだ?と思っていても雨は降っていなければ思い当たる節もないし、とりあえずティッシュを出して綺麗に拭こうとしたんだ…


「ヒッ!」


iPhoneのライトで辺りを照らした時、あまりにも目を疑うものがカゴに入っていた。

それはコンドーム。
しかも、使用済み。いたずらにしては度がすぎるし、サドルにもハンドルにも液体が付着している。…これ、精液だったなんて。って考えると吐き気が襲ってきた。気持ち悪い。


「なんでこんなものがここに…」


というか、深夜とは言え、コンビニという目立つ場所でどうやって?なんで?いつ?とか、色々疑問が浮かび上がってきたし、考えたら吐き気がするし、もう考えるのはやめた。今度こそ、警察に届けた方がいいのかな…なんて考えた結果、思い出したくもないし何も言わないことにした。

まさか…この間の写真送り付けてきたやつか??写真を送ったってことは家はもちろんバレてるし、そしてバイト先も…。考えただけで震える。怖い。

とりあえず、家に帰ってから考えよう。もう今日は疲れた。
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