short story

□『物語はつづいてる』
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〜13go side〜

あぁ…弱った…
本当に弱った…
これ程弱った事は
これで初めてです。
先程、自分の家で
くつろいでいると
校長先生から連絡があり

雄英高校の文化祭で
出し物にUSJを使って
何か考えて欲しい
なんて言われた……

いやまずそれ…
文化祭の5日前に
言う事なんですかね…。
そもそも何をって…
何がですか!?

現役でUSJを管理してる
僕には朝飯前の事……
だと思っていたのに……

今回ばかりはさすがに
一人じゃ無理です。
誰かに協力してもらう
にしても……
イレイザー先輩は
忙しそうだし…
セメントスに
お願いしようにも…
生徒受けが悪そう……
彼はかなりブラックな
一面があるからなぁ……
うーん…迷った…
どうしたものか……

卒業生を呼ぶにしても…
電話番号なんて知らない
メールアドレスさえも
わからないのに……
あぁ…どうしたものか…
とりあえずお茶の葉
切らしてるから
買って来よう。
それから考えよう…

ヒーローコスチュームを
身に纏い出かける。
いつでも敵(ヴィラン)に
遭遇しても良い様に…。

商店街を歩いていると
子供がキャッキャと
集まって来ました。


「わぁー!じゅーさんごーだ!」


「すぺーすひーろーすげー!」


子供って可愛いですよね
無邪気で純粋で…
さっきまでの悩みが
嘘みたいに
飛んで行きました…
青いTシャツを着た
男の子が一通の封筒を
持っている。
ファンレターかな?


「ねぇ、君?その封筒はファンレターですか?」


「あ、うんっ!ふぁんれたー!」


「そうですか!ヒーロー好きですか?」


「うんっ!大好き!セロファンから直接貰ったの!」

「セッ!?」


聞きなれた名前…。
そう…確か卒業生の中に
居ましたよ。
そういう風な
ヒーローネームを考えた
男子生徒が……。


「おっ!それならおれももらったぜ!セロファンてちょくせつ家にきてわたしてくれるんだぜ!」
「あたしももらった!」


「わたしもー」


「ぼくもー」


連鎖反応!
なんにせよ
有力な情報ゲットだぜ!

(ピッピカチューみたいな効果音鳴らしてくれませんかね?)

それはそれで置いといて
彼にファンレターを
書けば家まで来て
もらえるかも…
よしっ!!































次の日僕は彼へ
ファンレターを書きました



セロファンさんへ

初めまして!28歳にして
貴方のファンです!
敵を捕らえる姿を
テレビで見た瞬間に
惚れました。
あんなにかっこ良く
敵を捕らえられるのは
貴方しか居ません!

憧れの的です!!
セロファンさんの
笑顔にはいつも
勇気を貰っています!
これからもお身体に
気をつけながら
頑張ってください!

穴黒央宙より


ちょっと固苦しい気も
しますが結果オーライ。
ポストに出して返事を
待ちます。
文化祭まであと5日…
それまでに………
返事来るかこれ……。

その夜テレビを見ながら
お茶を飲んでいると
インターホンが
鳴りました。
ウチはチェーンとカギを
しているんでね。
一度空き巣に強引に
押し入られて思わず
ブラックホールで
吸い込んだから……
用心って事で……
一応、はい?と返事を
返してみる。


「穴黒さん?穴黒央宙さんで合ってます?セロファンですけどー……」


彼が来ました。
いや…早くないですか?
とりあえず急いで
ヒーローコスチュームに
着替えた後
チェーンとカギを外す。
そういえば……
卒業式以来会ってない…
彼は一体どんな反応を
してくれるだろうか……
忘れてるかなぁ…
不安を押し殺し
ドアノブに手を掛け
ドアを引き開けた。
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