黒白Rhapsody(D.Gray-man)

□第22夜・番外編1
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自室に戻ったクロスは窓辺に座り、ワイン片手に雨を眺めていた。
彼の大好きな雨だ。
そして私たちの顔を思い出しふっと笑う。

「生意気な面(ツラ)になった。
ここにきて、そう悪いことばかりでもなかったようだな…」

そう呟いた瞬間、部屋の扉がノックされる。
クロスは対アクマ武器のジャッジメントを手に、扉へ向かい…


撃たれた



部屋の前でクロスを見張っていた中央庁の男たち。
気が付いた時、彼らは眠っていた。

「わぁあっ!?何寝てんだ、俺ぇぇッ!!!」
「ひゃっ?すみません、ルベリエ長官!!」

寝ぼけた男が叫んだ相手をルベリエと間違い、謝った。

「はれ?長官?ねぇ長官どこ?」
「起きろバカ!!こんなとこ長官にバレたらおしまいだぞ!」
「クロス元帥、ちゃんといるか?」
「今確かめる。」

そして寝ぼけたままの男を放置し、もう1人の男がクロスの部屋の扉をノックする。

「元帥?よろしいでしょうか?」

返答なし。

「げ、元帥すみませ―――ん?」
「げんすい――――?」
「なぁもし、居眠りしてて元帥が抜け出したなんて長官に知れたら…っ」
「あっ、開けますよ元帥ッ!?」

扉を少しだけ開けて、恐る恐る中を覗く。

「失礼!元帥?いらっしゃいま…」

その目に飛び込んできたのは窓ガラスに散った赤い血液、
そして窓辺に腰掛けたまま動かないクロス・マリアン…
男はすぐに扉を閉めた。

「…」
「い、いなかった?」
「ちょ、長官を呼んでこい。」
「え?でも先に元帥探したほうが…」
「いいから呼んでこい、早くっ!!」

1人の男が走り去り、残された男はその場に立ち尽くす。
するとカシャンという音が部屋の中から聞こえた。
すぐに男は銃を手に扉を開ける。

「!!?なに…!?」

そこにはクロスの姿はなく、彼がいた場所の窓は割れていた。
彼が座っていた場所には顔を隠していた仮面が転がり、
床には持ち主を失ったジャッジメントが残されていた。

この日以来、クロス・マリアンの姿を見た者は誰もいない

↓あとがき


ついに14番目のことが語られましたね…
私としては時々クロスが見せるヒロインへの愛情が好きですwww

✛Anita✛

→番外編1 カップルに質問!!
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