Long..【cow】

□2・難しい刺激
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「あ、ありがとうございます。………あの、本当に良いんですか?その、……私なんかで。」

丑嶋は夢羽の頭に無造作にバスタオルを被せ、「風邪引くぞ」と短く言い、ドカッと社長席に座った。

「お前が使えるかどうかは後で試す。」
「は、はい『ガチャッ‼!』

夢羽の返事に被さるように勢いよくオフィスのドアが開いた。

「おはようございまーすっ!社長‼!今日は偉く早いっす・・・ね・・・・?」

そして丑嶋は耳に手を置いて三秒の沈黙を待った。

「だ!誰すかあその女!!!明らかに客じゃねえっすよね!!!!!」
「朝っぱらからうるせえぞ柄崎。」

丑嶋は突然の大声に軽く跳ねた夢羽を顎でさした。

「コイツは、今日からここに入ることになった・・・」

夢羽の方に視線が集まる。

「あ・・・井ノ口 夢羽って言います!今日からここでお世話になります!よろしくおねがいします。」
「俺は丑嶋 馨。んで、ソイツは柄崎。じゃあ、よろしくな‥夢羽」
「は、はい!!」
「なるほど、やっぱりそういうことでしたか。ただ!ここの仕事はただじゃあ、務まらねえぜ?まあ、俺がある程度は教えてやる。よろしくな井ノ口」
「こちらこそです!えと・・柄崎さん」
「おうよ」

すると柄崎は丑嶋に歩み寄り、そっと耳打ちした。
「しかし、あいつ本当に大丈夫なンすか?偉くなよっちぃ女ですけど」
「‥‥まぁ、見ときゃあわかる。もしヘマしたら、処置するだけだ。お前も仕事に戻れ。」
「・・へい。」

「あ、あの!」

仕事って・・・と言おうとした夢羽を遮るように本日2度目のドアが開いた。それもまあ盛大に。

「社長‼飛んだ債務者連れてきました!」
「おー、ご苦労さん高田。」

高田と呼ばれた男は一瞬夢羽を見て驚いた顔をしたが、直ぐに債務者の体を地面に叩きつけた。
いつの間にか立ち上がっていた丑嶋は夢羽に近づいた。

「今からお前…夢羽が見るのが俺たちの仕事だ。しっかりと見とけ。んでもって、後からいくつかお前に質問する。答えによっちゃあ、ここに居られるか居られねえか判断させてもらう。いわゆる・・・






      入社試験だ。」
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