Long..【cow】

□4・ナンパも難破も
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社長から私に初めて授けられた仕事は受付だった。外で新規の客を待ち、良い客かそれとも危ない客かを見分けて伝えるという仕事だ。どうやら、普段はしてないみたいだけど社長によれば「債務者のクズさ加減に慣れるため」らしい。今日だけの特別作業なのだそうだ。やっぱり、社長は人の事を良く考えてくれるいいひとだ。

「夢羽、客来たよ。どう?」
「あ、はい!神戸さん。うーん・・・・・・・・大丈夫ですね!でも、ちょっとあの目は人に慣れてない目なので社長に初回なので優しくって言っといてください。」
「了解。・・・・・では、こちらです。」

元々ここのカウカウファイナンスの受付を担当している神戸 麻耶さんはちょっとぶっきらぼうだけど人の顔をよく覚えていて、本当にすごい人。さっきも次々来る債務者の名前を全部解っていた。そして柄崎さん曰く、そうとうなS女らしいけど私と社長には甘いみたいで良かった・・!でも、さっきから私の体調とか気にしてくれるし。なんだか、お姉ちゃんみたい・・。嬉しいなあ。お姉ちゃん欲しかったんだ・・

「なに?」
「あ、ごめんなさい神戸さん。」
「・・・・・・・・・・なんかそれ堅苦しい。摩耶でいいよ。あと敬語も禁止。」
「え?いいんで・・・いいの?じゃあ・・・摩耶ちゃんで!いいで・・いいかな?」

「慣れなさすぎ」と言うと麻耶ちゃんは私の頭をくしゃくしゃしてくれた。ホントお姉ちゃんみたい・・。

((妹みたい))
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