Long..【cow】

□3.チリャクジュウオウ
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認めてもらって今までにないくらいの温かい気持ちに水を差すような事を夢羽は思い出してしまった。
(そういえば一番大事なことを伝えられていなかった。でも、これを伝えてしまったら私・・追い出されちゃうかも。嫌だな。でも、知られずにここにいるのは・・)
夢羽は無表情のままこっちを見ている丑嶋を見やり、何かを振り絞るように声を出した。

「あの・・・・。」
「なんだ。」
「非常に申し上げにくいのですが・・・・

 私の父は、警察署長なんです!」
「「!!」」
「ああ、知ってる知ってる。井ノ口サンだろ。苗字でわかる。」
「お、お、俺も知ってましたよ!!井ノ口っすよね!!井ノ口。」
「柄崎、お前気づいてなかっただろ。知ったかぶりすんな。」

「・・・・・でもさ、夢羽ちゃん。女の子にこういう事いうのはどうかと思うけど、なにかあったら責任とれるの?ウチ、職業が職業だけにリスクが何倍にも膨らむんだけど。」
「父とは今離れて一人暮らししてるので、バレるということはまずないと思います。・・・仮にバレてもちゃんと話せばわかってくれます。・・・父は、父はそういう人なんです。」

「高田。うちにリスクがひとつやふたつ増えたところで今更変わんねえよ。だが・・」
「だが、もしここが察にバレルようなことがあったら、そん時はそれなりの対処をすることになる。お前ならわかるだろ。」
「はい。わかってます。」
「・・うし、わかったら夢羽以外は仕事に戻れ。んで、お前は別のしごとをやってもらうぜ。」
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