Long..【cow】

□6・能ある鷹の爪は見えない
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「あの、社長・・」
「・・・・・・・・・・・・・なんだ。」
「取り立てはいつまでするんですか?」
「回収できるまでだ。・・・・・・だが、今日は朝まで。めんどくせえのが昼から入ってる。」

すると丑嶋は荒々しく車を停め、早々と降りて行き、夢羽もそれについていく形で後をついていった。



夢羽の初めての取り立てはそれはもう激しいもので、丑嶋はバットを一振りしてみたりイライラしていた。夢羽は、訳もわからずただひたすらそれを眺めるだけしかできなかった。
時々丑嶋は夢羽に判断を下させ、それに夢羽は答えていった。


「・・ただいまです。」
夢羽が帰ってきた音をを聞くと高田の肩がビクンッとあがった。
「お、お、おかえり夢羽。無事か?」
「?なにがです?」
「井ノ口!ちょっとこっちこい!昼からのこと説明してやる!はやく、社長が来る前に!」
「?」



「・・・・・・・・なるほど。それでイライラしてらっしゃたんですね。だから、あれほどの大金を貸せるんですねえー。」
「のんきの声してんじゃねえ。もうほんと、この日になると丑嶋社長は機嫌悪いんだ。」
「ありがとうございます。気を付けますね・・」
「おぅ。くれぐれもよろしくな。」

『ガチャ』

「おかえりなさいっす!」
「・・・・高田、車。」
「はい!」


帰ってきたかと思うとすぐに金主のところに向かった丑嶋を夢羽は不安そうに見ていた。
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