Long..【cow】

□7.増す黒いもの
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社長が荒れていたあの日から数日が経った。2,3日ずっと不機嫌だったけど少しずつ落ち着きを取り戻し、今はすんなりいつも通りの丑嶋社長に戻った。それに私もすっかりここでの仕事に慣れてしまった。慣れって怖いかも・・。

・・・あと、もう一つ変わったことがある。時々、本当に時々私が「社長」と言っても反応してくれない時がある。そういう時は何回言っても無駄で、一つだけ対策法があるとしたら。それは、・・・・・・「丑嶋社長」またはフルネームに社長をつける。この二つだけだ。私には社長の意図が全く分からないが、高田さんと柄崎さんは裏でニヤニヤしてる。・・・・・少し、というかだいぶん恥ずかしいからどうにかしてほしい・・・・。ほんとに。




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仕事が休みのある日、夢羽はお昼の具材を買うためにスーパーへ向かっていた。その道中、駄菓子屋の前で奇怪なものを見た。

「あれは・・・・丑嶋社長と・・・誰?」

丑嶋と謎の男が似合わない駄菓子屋の前で似合わないシャボン玉を飛ばしていたのだ。

「・・・なんか真顔でシャボン玉飛ばしてるけど、なんだか可愛いような・・怒られちゃうか。でも、あの人お友達かな・・・・だったらお邪魔できないなー。今日は諦めるかあ。」

帰ろうとした夢羽に気付いたのか、丑嶋は首をくいっと上げ来いとサインした。夢羽は少し戸惑いながらも二人に近づいて行った。
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