露の夢

□参話 瓦解
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「ほう。ここが善いのか」
「んっ、ちが、はっ」

 味を占めたと言わんばかりに指先がたくみに動き、胸の飾りを押しつぶす。引っ張ったり揉まれたりする度に、びくびくとまつげが震えた。
 なんだ、これは。
 刀であった身では、経験したことのない感触だった。一期は抵抗することを忘れ、必死に声を押し殺す。主は同じ場所をしつこくこりこりと弄っていたが、どうにも一期が声を出さないのが分かると、眉を寄せた。

「声を出さない割には、腰が揺れているな?」

 手がするりと抜けていく。ようやく終わったのだろうか。一期はため息をつき手をのける。
 しかしそこで油断した。

「そうか、今度はこっちを弄ってやろう」

 思いがけない衝撃に呆気に取られていた一期は、主がジャージの下に手をかけたことにまで対応できなかった。

「うわ、あっ⁉」

 脱がせにくいものであるはずなのに、主はいとも簡単に下着ごと剥ぎ取ってしまう。手を伸ばすも遅く、一期は剥き身の下半身を外気に晒していた。

「主……! おやめください、お戯れが過ぎます!」

 起き上がろうとした一期をまた押し倒し、膝頭をつかんだ主を一期は睨む。しかし効果は半分もなかった。

「まさか。これが戯れとでも思ったか?」

 言うや否や、主は一期の足を開かせると萎えた茎に手を伸ばす。誰にも触れられたことのない箇所に、身体がわなないた。

「ひぁっ」

 快感ともつかないびりびりとした刺激が、なにも知らない一期の頭を打ち付ける。やわやわと揉みしだかれていくそれに反応しないよう、一期は必死に唇を噛んでいた。
 しかし一期は人の体を持って顕現して、まだ半月しか経っていない。耐性のない素直なそれは、やがて少しずつ硬くなっていく。
 そしてそれは、にちゃにちゃという水音へと変わっていった。

「いや……いやです、あるじ……っ、んっ、ふ……っ!」

 考えずとも、それが自身から発せられているということはすぐに分かった。顔が羞恥で赤くなる。耳を塞ぎたい。しかし腕は、主の手によって封印されていた。
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