短篇集

□優柔不断/恋人未満
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 蜜に濡れた肌が、蝋燭の灯に照らされる。薄紅色の長い髪は艶やかに波打ち、背中をくすぐった。その感触にすら悩ましげに身をよじらせ、わななく唇がか細い息を吐く。

「あぁ、ぁ、も、もう……」

 宗三は目元を赤く潤ませながら、掠れた声でそう訴えた。畳の上で内股をつけて座り込む宗三は一糸まとわぬ姿で、色違いの美しい瞳はすっかり色欲に濡れている。
 そんな宗三の胎内に指を入れ、ぐちゅぐちゅと動かしていた長谷部は後ろでささやいた。

「なんだ、もうイくのか」

 嘲るような、呆れたような声だった。けれど背後から見つめるその眼差しに熱いものを感じて、宗三の背中がぞくりと粟立つ。

「ダメです……、それ以上は、はぁ……っ」

 ふるりと痩躯が震える。もうやめて欲しい。絶頂の予感を感じてそう必死に泣き声を上げるが、果たして逆効果だった。
 膝間に頭を沈めていた黒髪の少年が、ふと顔を上げる。

「いいぜ。宗三、好きなだけイってくれ。俺っちが受け止めてやる……」

 色素の薄い瞳が、怪しげな光を宿す。唾液と先走りの汁で薄い唇をべちゃべちゃに汚して、薬研はセリフの後で宗三の芯に再び口付ける。そのままぱくりと口を開けると、薬研の口が先端を吸った。敏感な入り口を刺激され、細い指が茎を擦る。
 同時に中を探る長谷部の指がいいところを強く叩いて、宗三はたまらず目を剥いた。
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