long story
□とびきりの
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ジーーーーーー
「なんだ?…成歩堂;」
「……」
ここは御剣のマンション。本人の性格だろうかキレイに片付けられている。
そのソファに横になり、対面の御剣を見やるのは成歩堂。
「そ…そのようなアレは困るのだが;」
「……」
先程からジッと見つめてくる成歩堂に御剣は焦る。
「(無言で見つめられるのが、)」
成歩堂が何を考えているのか分からない。
いつもであれば談笑したりDVDを鑑賞したりする。もちろん何も語らずまったり過ごす時間も心地良い。
「(ムぅ…困ったな)」
顎に手をやり、御剣は考える。…尚も成歩堂は見つめている。
「な、何かして欲しいことでもあるのか?」
「……」
「不服なことでも?」
「……、」
不服か、との問いには微かに首を振り。そして身を起こす。
「成歩堂、私は君の声が聞きたいの…だよ?」
「……(微笑)」
ニッコリ微笑み席をたつ。そして御剣の肩に手を置く。
「な、成ほ」
成歩堂?と問い掛けようとしたが、
御剣は耳元で囁いた成歩堂の言葉に、
二の句が継げなかった。
「怜恃、愛してる」
微かな言葉。
それなのに、強い意味を秘めて…脳内に。
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