Eternal

□一章
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チリリ

チリリ


チリリリリリ


チリリリリリ


チリリリリリリリリ





乾いた空気を引き裂くように、目覚まし時計が鳴り出す。





「あぁもう!うるさいなぁ!」


そう言いながらも、
寒くて毛布の中から出る気にも体を起こす気にもなれず、
いつまでも鳴りやまない目覚まし時計の音を、
その音のリズムが気持ちよくなる位、ボーッと聞きながら昨日のことを思い出す。






昨日は飛行機に乗るギリギリまで彼氏の翔真と一緒にいた。


飛行機の便の時間をギリギリまで夜遅くにしたのも、翔真が

「しばらく会えないからギリギリまで一緒にいたい」

そう言ってくれたからである。


私は、こんな彼が大好きだ。




空港のロビーで、別れる時も、

「しばらく会えなくて寂しいし、知ってる人が全然いない所に行くのも心細いけど、
今日のこと思い出して頑張るね!
今日は本当に最高の1日だったよ。
いつも私の夢を応援してくれてありがとう。
じゃあね!空港まで送ってくれてありがとう。着いたら連絡する。


・・・大好きっ。」


と言って抱きつくと、
涙目になりながら
本当に間に合わなくなるヤバい時間までギュウっと抱きしめられていた。



翔真は、甘えん坊で、いつも一途に私を想ってくれる。


そんな甘えん坊の彼が、最初は納得していなかったが、
今となっては
「韓国で生き甲斐になるのような仕事をしたい」
という私の長年の夢を
一番応援してくれている人だ。


私は昔から、今も、韓国の洗練されたミュージック、ファッション、その全てに強烈な憧れを抱いていた。


だから思いきって日本で働いていた会社も辞めた。


かといって韓国で働きたいという漠然なイメージを持っていただけだったので、
実際に行って何をしたいのか探すために今回まずは半年間だけ韓国に行くのである。



翔真とは、半年ほど会えなくなるけれど、

私たちなら大丈夫。

私には、そう思えた。














目覚まし時計が止まる。


「よし。そろそろ起きなきゃっ。」



そう言って花菜は、やっと起き上がった。


日本とはレベルの違う冷たい空気が、私の心を引き締める。



半年間の韓国生活の始まりに期待しながら、大きく伸びをした。
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