赤髪と行く

□海賊
1ページ/4ページ

私と母が住んでいるのは島のはなれ、

そこから市場までは少し距離がある



道中で色んな人にすれ違う
その度に聞こえる


陰湿な声



「ほら、あの子が例の…」

「あぁ!魔女の子よね…」




奇異なるものを見る目、好奇心、恐怖


いろんな感情が入り交じった視線を抜け、目的の店へたどり着く


「おじさん、いる?」

「おぉ!嬢ちゃんじゃないか
今日はなにが欲しいんだい?」


「その嬢ちゃん呼びやめてよ…
私もう21だし」

「嬢ちゃんはいつまでも嬢ちゃんだよ
がっははははは!!!」


豪快に笑うこと人は数少ない私の理解者だ
魚屋を経営していてがっしりとした腕をしている

私は初めてあった時熊かと思ったことは内緒だ


「今日のオススメは?」



「今日はワニマグロが入ったんだ!
こいつぁうめーぞ!!」


「じゃあそれを2切れ頂戴」


「毎度あり!!」


出際よく包装してくれた包を受け取ってみせをあとにする



(せっかく来たんだし、どっか寄ろうかな?)


などと、考えていると、


「大変だー!!!!」


突如市場に駆け込んできた青年に皆驚く

「どうしたんだ、そんなに慌てて」

いつの間にか出てきていた魚屋の店主が声をかける


「海賊が! はなれの岬に海賊船が!!」






動揺がはしる






はなれの岬…







家のすぐ近くじゃないか!!!!






パッと踵を返すと、全速力で家への道をひたすら戻る


(無事でいてよ!! お母さん!)
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ