赤髪と行く
□海賊
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家から来た道の半分ほどの時間で戻ってくると、深く息を吸い込み、扉を開けた
「母さん!!…………………?」
母の姿はどこにもなかった
しーん、と静まりかえっているこの空間に多少の不気味さを感じつつ、ゆっくりと家へと踏み込む
ダイニングは二階にあり、そこまでたどり着いた時、
フッと目に飛び込んだメモ書きをおもむろに拾い上げる。
そこには、
「お前の母親は預かった。
返して欲しくば、島中央の広場まで来い。」
雑な文字で書かれた字に、ただただ絶句した。
「おか、あ、さ、ん、」
思わず座り込みそうになるのを必死に堪えた。
(母さんが攫われた?
私のせいで?
そんな……)
いや、嘆いていても母さんが戻ってくるわけがないと自分自身に喝を入れる。
「こんな所で挫けちゃだめだ!
どうにかして母さんを取り戻さないと」
とにかく広場に行かないことには何も始まらない
意を決して、家を飛び出す