仮面少女は王様の姉

□一枚の葉
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入学早々、教頭のカツラをぶっ飛ばした飛雄と日向 翔陽は、明日の3vs3に向けて練習していた。

日向はレシーブが苦手なようで、よく顔面レシーブをした。


「ちゃんと返せよ!」

「わかってるっ。」


なんとか返したが、ボールは明後日の方向に飛ぶ。

その方向には、歩いている女子生徒がいた。

慌てて日向が


「危ないっ!」

「⁉︎」


ボールからその女子生徒を守ろうとしたが、


「えぇ⁉︎」


彼女は背負っていたリュックを投げ出すと、綺麗なフォームでレシーブをして、日向にボールを打ち返した。


「すっ、すげー‼︎」

「レシーブ苦手なんだね。」


そう言って近づいて来たのは、ショートの黒髪の背の高い女子だ。

その少女を見たとたん、飛雄が


「ね、姉さんっ⁉︎」

「久しぶりだね、飛雄。また背が伸びたね。」

「えっ?知り合いなのか?」


日向が質問すると、彼女は柔らかく微笑んだ。


「うん。私達は双子だよ、日向 翔陽君。私は飛雄の姉、影山 飛鳥。名字がかぶるから、飛鳥って呼んで。」

「あれ?何で俺の名前知ってるの?」


すると、飛雄が


「姉さんは、北川第一の男子バレー部のマネージャーだったんだ。」

「君のジャンプ力、気合いには凄く興味を持ったんだ。翔陽って呼んでいいかな?」

「ありがとう!よろしくな、飛鳥。」



その後、日向は飛鳥からレシーブを教えてもらった。

飛鳥の教え方は上手く、ほぼ初心者の日向でも少しずつ上達している。


「日向、打つぞ!」

「よし、来い‼︎」


日向は、飛雄が打ったボールを返そうとした。

しかし後ろから手が伸びてきて、ボールを掴んだ。


「へー本当に外でやってる。」


そこには、背の高い金髪、眼鏡の男子とソバカスとアホ毛が特徴的な男子が立っていた。


「君らが初日から問題を起こしたっていう一年?」

「ゲッ!Tシャツ⁉︎寒っ!」

「あっ、蛍と忠じゃん。入部届け出しに行ったの?」


飛鳥は知り合いなのか、乱入してきた二人に話しかける。

金髪の男子は、日向達と同じく半袖の飛鳥を見て眉を顰めた。


「何で君もそんな格好をしてるの。」

「翔陽にレシーブを教えてたから。」

「飛鳥ちゃん、早く上着を着たら?風邪引くよ。」
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