仮面少女は王様の姉

□二枚の葉
1ページ/4ページ


「えっ!姉さん休み⁉︎」

「あぁ。昨日入部届けを出してくれた時に言ってたぞ。どうしても外せない用事があるって。」


主将の澤村 大地がそう言うと、二年の田中 龍之介が飛雄にからむ。


「影山っ、お前の姉ちゃん美人だな‼︎まるで女神だ‼︎」


飛鳥は弟と似て美人だ。

艶やかな黒髪は勿論、整った顔立ち、涼やかな目を持つ。


「けど、影山が絶対に勝つって応援してたべ。優しい姉ちゃんだな。」


三年の菅原 孝支がそう言い、影山の肩を叩いた。



その少し前、午前7時。

飛鳥は烏野の小豆色のジャージではなく、白と紫のジャージを着てバスに乗っていた。

「(飛雄と翔陽、大丈夫かな?一応菅原先輩に伝言を頼んだし、鷲匠監督に早めに帰れるよう頼んだけど。)」

『次は白鳥沢〜、白鳥沢〜。』

「…下りないと。」


飛鳥が下車したのは白鳥沢だ。

そして慣れたように体育館へ向かう。


「おはよーごさいます。」


体育館の扉を開けると、まだ早かったのかだれも居なかった。

手際良くモップをかけて、ネットを張り、スコアボードやタイマーとボールの用意する。

次に籠からタオルを出し、人数分の用意。

人によってスポドリの濃さを変える。

スポドリが作り終わり、後は運ぶだけになった。


「う〜〜ん、困ったな。」


スポドリの入った籠は重いし、数が多い。

一つずつ運ぼうとしても、怪我で足に負担をかけられない飛鳥には、無理がある。


「おっはよ〜飛鳥ちゃん。」

「朝早くからありがとな、飛鳥。」

「おはようございます、天童先輩、瀬見先輩。」


王者、男子バレー部“白鳥沢”の三年生であり、レギュメンの天童 覚、瀬見 英太が来た。


「すみません。スポドリの籠を一つずつ持ってもらいませんか?」

「それぐらいいいよっ‼︎」

「任せろよ。」

「ありがとうございます。」


三人で一つずつ持てば、一回で運び終わった。


「そう言えば、もうすぐで飛鳥ちゃんのマネジメント終わりだね。」

「そうですね。確か来週の日曜日で最後です。」

「寂しくなるねぇ、英太君。」

「そうだな。飛鳥ほど優秀なマネはほとんどしないからな。」

「ふふっ、私も残念です。お世話になりました。」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ