仮面少女は王様の姉
□番外編.夏の若葉
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中三の期末テスト。
このテストが終われば、いよいよ中体連の県予選が始まる。
教室は窓を開けているが、むしむしと暑い。
金田一は汗を拭いながら、目の前の問題と格闘していた。
ふと、左斜め前を見る。
「(相変わらず白いな…。)」
少し長めの黒髪を耳にかけ、白いピンでとめている飛鳥だ。
飛鳥の白い肌は、白のセーラー服や強い日の光で、眩しく見える。
双子の飛雄は勉強が苦手だが、飛鳥は理系が得意で他の教科も穴が無い。
「(俺達に対しても勉強みてくれたしなぁ…。)」
飛雄と三年がギクシャクする中、飛鳥は微妙な立場になる。
彼らも飛鳥は関係無いと思っている。
特に、金田一は飛鳥と三年間、同じクラスだ。
意外とシスコンの飛雄に頼まれ、飛鳥の様子を見ていると、色々な癖に気付いた。
「(早くテストが終わればいいのに。今日こそ普通に話そう。)」
小さな決意を固め、目の前の問題に再び取り組み始めた。