仮面少女は王様の姉

□七枚の葉
1ページ/4ページ


〈月島side〉


「蛍、私青城に転校するね。」

「…あぁ、あの話の事。」


元々、ポーカーフェイスは得意な方だった。

けど、こればかりはしっかりポーカーフェイスができているか不安だった。


「蛍と忠と敵同士になるのはつらいけど、そっちはそっちで頑張ってね。」

「ありがと。飛鳥も無理ばかりして倒れないようにね。」


去年の九月からずっと一緒だったから、飛鳥が隣にいないのはなんとなく違和感がある。

けど、飛鳥は楽しそうにぼくに話している。


「楽しそうだね、飛鳥。」

「…うん、そうだね。飛雄に勝てると思うと、嬉しいよ。」

「(やっぱり、飛鳥は王様の事を許してしないんだ。)」


普段の飛鳥は争い事は好まない平和主義だけど、内心親や王様を憎んでいる。

こんな状態の飛鳥を止める事は、ぼくには無理だ。

だからせめて飛鳥の相談役であり、何かあれば頼られる存在でありたい。


「王様や先輩達にはぼくから言っておくよ。」

「ありがとう、蛍。」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ