仮面少女は王様の姉
□七枚の葉
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〈月島side〉
「蛍、私青城に転校するね。」
「…あぁ、あの話の事。」
元々、ポーカーフェイスは得意な方だった。
けど、こればかりはしっかりポーカーフェイスができているか不安だった。
「蛍と忠と敵同士になるのはつらいけど、そっちはそっちで頑張ってね。」
「ありがと。飛鳥も無理ばかりして倒れないようにね。」
去年の九月からずっと一緒だったから、飛鳥が隣にいないのはなんとなく違和感がある。
けど、飛鳥は楽しそうにぼくに話している。
「楽しそうだね、飛鳥。」
「…うん、そうだね。飛雄に勝てると思うと、嬉しいよ。」
「(やっぱり、飛鳥は王様の事を許してしないんだ。)」
普段の飛鳥は争い事は好まない平和主義だけど、内心親や王様を憎んでいる。
こんな状態の飛鳥を止める事は、ぼくには無理だ。
だからせめて飛鳥の相談役であり、何かあれば頼られる存在でありたい。
「王様や先輩達にはぼくから言っておくよ。」
「ありがとう、蛍。」