仮面少女は王様の姉
□八枚の葉
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〈飛鳥side〉
いよいよ、インターハイが始まった。
「私達青城はシードなので、1日目の今日は1試合しかありません。第2回戦目に千川北か大岬のどちらかです。」
「烏野は?」
「1試合目に常波とです。」
会場に着き、私は伊達工業の1回戦を偵察に行く。
歩き出した時、肩を掴まれた。
「飛鳥、俺達も行くよ。」
「そうそう。女の子一人だと危ないからな。」
そして今、花巻先輩と松川先輩の二人に挟まれて歩いている。
背が高いこの二人の間にいると、人間に捕まった宇宙人になったみたいだ。
「お二人は烏野を見なくて良いんですか?」
「うん。花も俺も及川にも頼まれているから。」
松川先輩の笑顔は反則だ。
本当にこの人達は高校生なのか…。
「そういえば飛鳥って大体は苗字で呼ぶよな。」
「?、何かありますか?」
「いいや。名前で呼んで欲しいなーって思っ『貴広先輩、一静先輩。』…はやっ。」
急に二人の顔が赤くなった。
珍しいなぁと思いながら、私は伊達工の1回戦を観察し始めた。